book:医師民事責任の構造と立証責任
平野哲郎先生からご恵贈いただいた大著である。
平野先生は、私の中では民事訴訟・民事執行の専門と位置づけられているが、本書の内容は医事訴訟の話というよりも医療事故の民事責任論全般に及んでおり、訴訟法に関わる部分は第三部を中心として一部に留まると言ってもよい。
証明責任論が民事訴訟法学の問題なのか実体法の問題なのかは議論の余地があろうが、具体的な紛争類型における要件事実論(これは一定の証明責任分配を当然に前提とする)は実体法そのものであり、その意味では立証責任と題する第一章も、実体法に属する問題を扱っていると考えてよいであろう。
本書の中で力を入れられているのも、期待権や機会の喪失といった、医事訴訟にかなり特徴的な問題に付いてであり、平野先生のこの領域にかける並々ならぬ関心度合いが伝わってくる。
大著であり、いくつかはすでに読んだことがあるものもあるが、改めて勉強したい。
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