Book; 学生のための法律ハンドブック 弁護士は君たちの生活を見守っている!
SNSで旧知の民法の先生が話題にしていた本『学生のための法律ハンドブック』、当該先生によれば「大学生・専門学校生が遭遇しそうな123にわたる事例を設定して解説を加え、具体的な対策・解決策も提示」ということで、成文堂のサイトに行ってみたら、すごかった。
まず全体を4つのユニットに分けている。
UNITⅠ 日常生活
UNITⅡ アルバイト・就職活動
UNITⅢ 授業・サークル活動
UNITⅣ 刑事事件
これを見ただけでも、大学生活に直結しそうな感じだが、それぞれのユニットが幾つかのステージに分かれ、その各ステージ内に大学生活で出てきそうな事柄が散りばめられている。
UNITⅠ 日常生活は一番幅広くて7つのステージに分かれる。
最初の「お金のトラブル」では、クーリング・オフ、キャッチセールス、電話勧誘、エステのローン、マルチ商法、クレカやカードキャッシング、スマホの割賦代金やネトゲ課金、ギャンブル破産などがある。
次の「アパート・マンションのトラブル」は、近隣トラブルやルームシェア、家賃や立ち退きトラブル、敷金問題が取り上げられている。
第3の「ネット・SNSでのトラブル」では、通信販売やオンラインオークション、フリマなどのトラブルから始まり、SNSの名誉毀損やプライバシー侵害、著作権侵害の可能性、詐欺、そして炎上刑事事件までが取り上げられている。
第4は「恋愛トラブル」で、未成年、飲酒、セクスティング、児童ポルノ、妊娠、ストーカー、デートDV、婚約不履行、売春、セクハラ、アウティング、スマホ盗み見、リベンジポルノ、痴漢冤罪と百科事典のようだ。
第5の「旅行トラブル」はキャンセル料や事故責任、盗難被害、海外で逮捕された場合、現地での大麻体験まで、多彩だ。
第6の「交通関係のトラブル」は、交通事故や交通違反、飲酒運転がテーマである。
第7は「未成年から成人へ」と題して未成年にまつわる法的問題が、選挙や年金も含めて、解説されている。
UNITⅡ アルバイト・就職活動は、その名の通りバイトと就職活動に分かれ、アルバイトの労働条件に関するよくあるトラブル、休暇や残業代、パワハラ・セクハラ、労災や事故責任、解雇、税金などのほか、AV出演強要や詐欺バイトなどの問題にも広がっている。就職活動については圧迫面接とか内定の法的意味などである。
UNITⅢ 授業・サークル活動では、アカハラ・パワハラ、セクハラ問題、学納金返還問題のほかに、「講義を録音・録画してSNSに投稿していいの?」とか、「大学の単位認定は裁判で争えるの?」とか、多様である。サークルトラブルも、会費負担とか飲酒トラブルなどからドローンまで出てくる。
最後のUNITⅣ 刑事事件では、無罪推定のような刑事事件の基本的な仕組みと考え方の解説と対応ノウハウのほかに、GPS捜査や共謀罪問題、そして被害者参加も出てくる。
こうしてまとめてみると、やはり圧巻は最初の日常生活にあるが、バイトや授業・サークルも落とせないところであり、学生生活の最初にこの本の内容に触れさせるような機会があれば、随分と若者の被害防止に役立つのではないかと思われる。
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