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2018/04/01

arret:民訴教材:直接主義違反

読売新聞:別の裁判官が判決文に署名…控訴審判決を破棄

最判平成30年3月30日は、原判決に署名した裁判官が口頭弁論に関与していなかったとして破棄し、差し戻した。

関係する条文は以下の通り。

第二百四十九条 判決は、その基本となる口頭弁論に関与した裁判官がする。(二項以下略)
第三百十二条 (一項略)

2 上告は、次に掲げる事由があることを理由とするときも、することができる。ただし、第四号に掲げる事由については、第三十四条第二項(第五十九条において準用する場合を含む。)の規定による追認があったときは、この限りでない。

一 (略)

二 法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。(三項以下略)

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 なお,上告裁判所は,上記のような理由により原判決を破棄する場合には,必ずしも口頭弁論を経ることを要しない(最高裁平成18年(オ)第1598号同19年1月16日第三小法廷判決・裁判集民事223号1頁)とされている。

民訴法319条及び140条(同法313条及び297条により上告審に準用)の規定の趣旨に照らせば,上告裁判所は,判決の基本となる口頭弁論に関与 していない裁判官が判決をした裁判官として署名押印していることを理由として原判決を破棄し,事件を原審に差し戻す旨の判決をする場合には,必ずしも口頭弁論 を経ることを要しないと解するのが相当である。

このときも、原審東京高裁は口頭弁論に関与していない裁判官が判決書に署名していたのである。

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