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2018/03/11

保険分野のADR

保険法の専門家であり、実務にも明るいJoël Monnet教授に、消費者被害の回復についての話を伺った時に、熱心にご紹介いただいたのが保険に関するメディエーションである。

フランス語でMédiationというので、メディエーション、あるいは調停、もっと広くいうならADRと訳すことができようが、フランスでもMédiationの意味が様々に用いられていてミスリードな事態になっているというのであるから、翻訳としては最も広くADRとやっておくほうが良いように思う。
Logomediation2015


この保険ADRは、以下のオルドナンスと適用デクレに基づいている。

Ordonnance no 2015-1033 du 20 août 2015 relative au règlement extrajudiciaire des litiges de consommation

Décret no 2015-1382 du 30 octobre 2015 relatif à la médiation des litiges de la consommation

そして、組織はあまり明示されていないが、多くの保険会社が会員となっているアソシアシオンが運営主体であり、独立した中立的調停人が責任主体とされている。

その下で、2016年には14,803件の申立てを受け、そのうち70%は申立て不受理となる。また途中で和解が成立するなどして、最終的に調停人の意見が出るのは8%という。

その8%の中で28%が保険契約者側に有利な意見、72%は保険者側に有利な意見となっている。

このように、この制度は合意形成型のメディエーション(調停)ではなく、一定の法的見解をメディエーターが述べるというもので、両当事者はこれを前提として訴訟に出るなり和解をするなり、紛争行動を決定するわけである。

ENEに近いというべきであろうか。

Cf. 2016年年次報告

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