司法IT化検討会の第4回会議資料について
司法IT化検討会、正式には裁判手続等のIT化検討会と言うが、会議資料は迅速に公開されている。
残念ながら、議事要旨は12月1日のものが最後であって、前回12月27日のものもまだ公開されていないので、議論がどのようにされているかはわからないのだが、最新の会議資料が前回の議論内容を踏まえてのものだとすると、とてもアグレッシブに物事を進めようとしていると期待が持てそうである。
いくつか、メモ的に感想を書き留めておきたい。
1. 訴状の提出段階
ここでは、極めて明確にオンライン申立ての全面的な導入と、訴訟記録の電子化を原則とする方向が打ち出されている。全く賛成である。
その上で(2) 提出方法については、「ウェブサイト上のフォームへの入力」で良いのではないか。これとその前に例示されている専用システム(サーバー)というのがどう違うかよく分からないが、この後の方に出てくる弁護士以外の本人申立ても可能とするのであれば、結局、一般にアクセス可能なウェブサイトとならざるをえないのではなかろうか。
もちろんウェブサイトといっても、単純なHTTPのページというわけではなくて、e-filingに適したクラウド技術を用いて構築されるものであろうから、その中で、(3)訴状の作成に必要な事項を確実に記載させる方法とか、(4)の本人申立てにおける支援方法も、技術的な可能性を追求すべきである。今流行のマジックワードでいえば、AIの活用であろうか。
なお、(4)の本人申立てにおける訴状作成支援は、司法書士の本来的業務である。これは訴額に拘わらず、「代書」が可能なのであるから、ここで言われている法的側面のサポートは、弁護士でなければ司法書士である。しかしそれと分離したIT面のサポートであれば、例えば現在家裁が行っている手続案内のように、裁判所の本来業務の一部のようにも思える。それ以外で、既存の機関でこの面を担うべき位置づけにあるのは法テラスである。それ以外に、IT面に限ったサポートを行うというのは、よほど難しい技術を要する申立て方法を構築するのでない限り、あまり必要が無いのではないか。むしろ、構築すべきUIはできるだけユーザーフレンドリーなものとしておく方が健全である。
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