cinema:ヒトラーに屈しなかった国王
今年見た3本目の映画は「ヒトラーに屈しなかった国王」
ノルウェーのホーコン7世が第2次大戦でヒトラーから中立国なのにナチス・ドイツと協定を結ぶよう共用され、これにどう対処したかというお話である。
「否定と肯定」のような、歴史修正主義者に対して正義は勝つみたいな話ではない。
むしろ、重苦しい戦争に犠牲となった国の話である。
結局、ノルウェーはナチスに降伏し、国王はイギリスに亡命してレジスタンスを支援するという、ド・ゴール的な行動を余儀なくされるわけだが、ド・ゴール同様に戦後は英雄として迎えられた。
そのホーコン7世の特徴的なことは、スウェーデンとの同君連合を解消して新しい君主を迎えるべく、デンマークの王子だったカールがノルウェー国王に迎えられるのだが、その際には国民投票で君主として選任したという。いわば、憲法制定権力がリアルに立憲君主制を選んだというわけだ。
そしてナチスドイツからの要求を突きつけられたときも、国王は、民主主義に忠実であろうとする。
極めて政治色の強い映画だが、圧政に対する抵抗の歴史を持ち、その抵抗の先頭に国王が立ってきたということから、戦後の英雄として屈託のかけらもなく国王を支持できるというのは幸せなことだなあと感じ入った。
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