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2017/12/27

legal-info:判決文の公開は民主主義の基本

判決文のネット公開とこれにリンクした岡口裁判官のツイートに、当該事件の被害者遺族が抗議した。
岡口判事は直ちにツイートを削除したが、遺族は重ねて裁判所に苦情を申し入れ、裁判所は以下のような対応を取ったという。

高裁は取材に「事実関係を確認した上で適切に対処したい」と回答した。その上で、リンク先は裁判所の公式サイトだと説明。性犯罪に関わる判決文は載せないルールになっていたとして、高裁として遺族側の弁護士におわびしたという。

毎日新聞サイト
裁判官ツイッター
不愉快な思い 遺族、処分求める

Shisa

刑事裁判については、被告人の前科という点でも、被害者の心情という点でもデリケートな部分が含まれるのは理解できる。この点は民事事件であっても、ある程度は共通するし、レピュテーションを過剰に気にせざるを得ない社会となればなおさらだ。

しかし、判決文は、法令の解釈適用に関する一次資料であり、主権者たる国民が広くアクセスできるべきものであり、その意味では法令そのものと同じである。

そうでなければ、「知らしむべからず、よらしむべし」ということになる。

また、弁護士とか公務員とか、法の運用(司法のみならず行政・立法も)に携わる専門家だけがアクセスできれば良いということも、国民主権の本旨を軽視した見解である。

でも他方でプライバシー等に配慮しなければならないということは捨てきれず、割り切れない。

今のところ、このジレンマについては、原則として全部の判決を公開するとしても、匿名化したり、判決理由のみにしたり、あるいは判決要旨に留めたり、といったグレードをつけることが解ではないかと考えている。

しかし、それでも上記の問題となった事例の被害者遺族の心情には、沿い得ないものがあると思うが。

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