misere:横紙破りが大嫌いなニッポン
日本社会の特徴の一つをよく表す出来事が幾つか表れている。
一つは、例の子連れで議場に座って、結局子供を預けることになった女性市議。
22日に開会した熊本市の定例市議会。本会議の開会前、緒方夕佳議員(42)が、生後7か月の長男と一緒に出席しようとしたところ、ほかの議員から退席を求める声があがりました。熊本市議会の規則では本会議中はいかなる理由があっても議員以外は議場に入ることができないとされています。
そこで、議長や議会運営委員会の委員などを交え、話し合いが行われましたが、緒方議員は結局、長男を友人に預けて出席し、市議会は40分遅れで開会しました。
ま、彼女の行動は、事前に子供連れを議会事務局に相談していたという報道もあったので、全く突然の行動というわけではないし、ダメであることは覚悟の上のアピールという色彩が強いように私は思うのだが、その上で、彼女のような行動が迷惑行動のように捉えられてしまうのが日本社会だ。
他国の例がハフポストに詳しく紹介されているが、
熊本市議会で赤ちゃん連れ議員の出席認められず...でも、世界にはこんなにいます
記事のタイトルとは裏腹に、やはり外国の例でも軋轢を生み、ダメとされるケースもある。ということで、外国ではOKなのに日本はダメなんておかしいという単純な話ではない。
熊本の彼女のケースは、こうやって突撃しなかったら本人がいくら周囲に働きかけても一歩も動かず、また全国の無関係の皆さんの関心を呼ぶこともなかったのだろうなあと。その意味ではあちこちで批判的なご意見ですら書かせたことは、彼女にとっては成功なんだろうと思う。思う壺というか。
ただし、今後良い方向に進むのかどうかは予断を許さない。
もう一つの出来事は、昨日の白鵬のアピールだ。
どうせ日本人の一般的な傾向としては、こういうアピールが大嫌いで非難轟々となるのだろうなぁ、と暗い気持ちになる。ここでも共通しているのは、横紙破りというか、自己アピールが大嫌いな日本社会の姿だ。
こうした日本人の傾向は、小学校の教室から企業社会までで醸成されているのだろう。教室でおとなしくして先生の話を聞き、悪目立ちしない、目立つと先生から嫌われるだけではなくクラスメートからのいじめの対象となる。
そういう中でもリーダーとなる人は出てくるのだが、そうなれない人はカーストが出来上がってしまう。
そんな子供たちの世界を再生産しているのが企業村であり、というか逆で、大人の村社会的な掟が子供にも反映されているというべきでだ。
そういう中での特徴は、管理者的な立場の人が秩序を乱すことを嫌うだけでなく、同僚が真っ先に横紙破りを咎めだてする。管理者的立場の人からすれば、誠に都合の良い性格だ。
ところが、大学というところは、そのような日本の教育空間の中にあって稀有な例外で、自由が基本だ(った)。
ま、大学と一口に言っても渡り歩いてみると色々だったが。しかし、その中でも自由を謳歌してきた方の大学でも、今は本当に自由な学び舎というのは絶滅危惧状態に思える。
それが本当に残念だ。
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