childcare:熊本市議会 #緒方夕佳 議員の行動
彼女の行動で表に現れた部分は、議場に乳児を連れて入って、ルールに違反し、議事運営を妨げたということで、非難されやすい。
しかし、彼女が求めていることは、議事を妨害することではなく、子育てをしやすい環境を作ろうということであり、それは議員という職業でも一般の会社勤めでも、あるいは専業主婦だって、同じように「子育てをしやすい環境」が必要だという点で共通する課題だ。
専業主婦だって、いわゆるワンオペ家事育児で孤立すれば、育児ノイローゼになることだってある。サポートは必要だ。
女性だけの問題でないのももちろんで、乳児をどうしようもなく職場に連れて行かざるを得なくなる場面は男だって育児に責任をもっていれば女性と同様に生じうる。
国会議員や市長の男性が育休を取るというと途端に「立場をわきまえろ」的な非難が降りかかるのであり、子育てに対する世間の冷たさ、社会的サポートが必要だという感覚の薄さが子育ての障害となっているのは、子育て世代の男女に共通する課題だ。
どうも、上記の緒方議員の行動に、表面的なところだけあげつらって非難しているのを見ると、自分の問題だとは思ってないんだろうなあというところが透けて見える。
彼女に対して、言いたいことは分かるが方法は悪いと言っているだけといいたい向きもあろう(特にインテリに多い)が、ああいう行動を取らなかったらニュースにもならなかったし、一体誰が熊本市議の子育て環境の問題に目を向けただろうか?
例の「保育園落ちた、日本死ね」ツイートで待機児童問題の深刻さを訴えることに成功した事例も、とにかく言葉遣いの問題にすり替えて色々言い、待機児童問題から目を背けることに邁進した連中がいたが、方法を論じることがそういうすり替え効果を持つことも少しは自覚したら良いと思う。
というわけで、世間へのアピールには兎にも角にも成功したので、次は、それを「色々な立場の子育て世代男女が子育てしやすい環境をどう作っていくか」問題に発展させることが求められている。
なお、下記FB記事は、彼女の行動の背景や真意を明らかにしたものである。
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