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2017/09/08

misc:情報公開制度の重要性を指摘した記事

毎日新聞の「情報公開と市民社会」と題する記者の目は読み応えがある。

森友・加計両学園や自衛隊の国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報問題は、情報公開制度が機能不全に陥っていることを浮き彫りにした。
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イギリスの情報公開の現状を学び、公開制度自体は問題だらけであるのに、メディアと第三者機関(コミッショナー)の独立性が民主主義の厚みをもたらしているという。

その一環で、情報公開請求訴訟が後押しをしているという中で、以下のように書かれているところが興味深い。

日本にも情報公開訴訟はある。しかし、最大の問題は、裁判官が本物の文書や記録を調べる「インカメラ審理」が認められていないことだ。裁判官も黒塗りの文書しか見ることができない。これで独立した判断を下すのは難しい。

インカメラ審理というと、民事訴訟法223条6項の規定である。

裁判所は、文書提出命令の申立てに係る文書が第二百二十条第四号イからニまでに掲げる文書のいずれかに該当するかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、文書の所持者にその提示をさせることができる。この場合においては、何人も、その提示された文書の開示を求めることができない。

提出義務を免れる事情があるという主張について判断するには、その文書の中身を見てみなければ話にならないということで、こうした規定が置かれている。これはこれで問題がないわけではないが、情報公開訴訟においてインカメラ審理が使えないという点は最大の欠陥の一つと言っても良い。

このブログでは10年近く前に取り上げたことがある。
law:行政情報開示にもインカメラ
arret:情報公開訴訟のincamera審理

この後の方のエントリで取り上げたのが最決平成21年1月15日であり、次のような要旨であった。

情報公開訴訟において不開示文書につき被告に受忍義務を負わせて検証を行うことは,原告が立会権を放棄するなどしたとしても許されず,そのために被告に当該文書の提示を命ずることも許されない。

明文の規定なくして実現しようとすると、記録の取り方や開示のあり方、特に一方当事者にも記録を開示しないことが許されるのかなどの問題が生じるので、運用よりは立法が望ましいことはいうまでもないが、この種の立法を国主導で行うことは民主党政権時代を除き望み薄である。
本来であれば、行政の不透明さにチェックを入れる立法権が、つまり国会が主導権を持って改革をしていくべきところではある。しかしそれがダメなら、やはり苦しくても実務運用と判例によってインカメラ審理を認めていく道を目指すしかないように思う。

それこそが、三権分立のチェックアンドバランスの本来のあり方ではなかろうか?

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