FRANCE訴訟遅延で国を提訴
フランスでは離婚訴訟の遅延が深刻になっているという話は、以前にも取り上げたが、昨日(2017年9月11日)、パリ大審裁判所で、Seine-Saint-Denis弁護士会の弁護士たちが、国に対して、訴訟遅延を理由とする損害賠償請求訴訟を提起したと言う。
Procédures de divorce trop longues à Bobigny : l’État assigné par des avocats
この訴えによると、ボビニー大審裁判所の家事事件裁判官の手続では、離婚の訴えを裁判所に提出してから裁判官の呼び出しがなされるまで、平均で13ヶ月から14ヶ月かかるそうだ。
日本的な感覚でも、これは長すぎる。争点整理にそれくらいかかるというのならともかく、訴えを提起してから最初の呼び出しまで一年以上かかるというのは論外だ。
フランスの民事訴訟法には、期日呼出convocationを15日以内とする規定があるにも関わらず、一年以上かかっているのは違法だというわけである。
なお、訴訟法のことわざに、「訴訟遅延は裁判拒否に等しい」というものがある。フランスの訴訟遅延は事程左様に深刻であり、特に家事事件はひどいということを示すものであろう。
裁判官の不足もさることながら、書記官の不足も深刻で、裁判官を補充しても問題の解決にはならないと言われている。
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