jugement:新カラオケ法理か
カラオケ法理といえば、客が選曲して歌って客が楽しんでいるのに、カラオケ店が演奏していると強引に解釈して著作権侵害と認めた悪名高い判例法理であるが、そのカラオケでまたしても法律家の常識は世の中の非常識と言いたくなるような判断がされた。
男性は昨年9月頃、都内のカラオケ店で人気女性グループの曲を歌った姿を自らスマホで撮影。約2分間の動画にし、ユーチューブに投稿して公開した。
東京地裁が、カラオケ機器メーカーの著作隣接権を侵害するとして公開禁止を命じる判決を言い渡していた
この判決の場合、法理論的には曲解でもなく、普通に考えればアウトだろうなとは思う。
しかし、素人さんが自分で歌っている姿を動画でアップしたら著作権侵害ということであれば、著作権の方がおかしいのではないか。
これを差止めすることで誰が得をするのだろうか?
著作権が自由を殺す、みたいな本があったはずだが、直感的には、それを地で行く裁判例のようである。
なお、判決文があったのでリンクした。
既にYouTubeから削除したにも関わらず、送信可能化する可能性はあるとして、被告の保有しているデータの削除を命じている。消費者契約法に基づく差止めにも参考になりそうである。
| 固定リンク
「裁判例」カテゴリの記事
- UK最高裁によるトランスジェンダーと平等権(2025.04.17)
- Jugement:新型コロナの軽症者収容のためホテル借り上げを具体的に依頼しながら契約しなかった地方自治体に契約締結上の過失責任が認められた事例(2025.02.17)
- jugement:福岡小学校教諭の公務災害死について市の安全配慮義務違反が認められなかった事例(2025.02.07)
- Jugement:原発事故に関する東電取締役等の任務懈怠により東電に与えた損害の賠償を命じた株主代表訴訟(2025.01.31)
- arret: 第二次大戦戦没者合祀絶止等請求事件最高裁判決(2025.01.19)
コメント