Feminisation女性が増えるとその業界の賃金水準が下がる
ツイッターで@okisayakaさんが紹介していたのがAs Women Take Over a Male-Dominated Field, the Pay Dropsというニューヨーク・タイムズの記事。
これを元同僚の長塚先生が引用していたのでたどり着いた。
女性の賃金中央値は男性のそれより20%低いという。
このことは目新しいことではないが、最近の研究では、以前男性が多数を占めていた業種に女性進出が進むと、その業界の平均賃金が下がるというのである。
この現象、言い換えると女性の仕事というのが低く見られていて報酬も少なく割り当てられているので、ある業種に女性進出が進んでオンナの仕事とみられるようになると、その業種の報酬水準が下がるし業種自体のステータスも下がるというのである。
これはまさしくフランスの法曹界でFéminisationの問題点として言われているところである。
ちなみに20年ほど前にフランスの法曹の実態調査に行ったことがあり、その時にも既にFéminiationということが言われていたが、男性法曹と女性法曹との平均年収の違いが激しく、そちらのほうが問題だとされていた。
ガラスの天井ですか、と色々な人に聞いて回ったが、いやいや女性法曹が増えたのは最近のことなので、まだ偉い地位に就く女性が少ないから女性法曹の平均年収が低いので、いずれ一緒になるといわれていたものだ。
しかし、上記のようなことがあれば、女性法曹の年収がアップしていくわけではなさそうである。
さらに、FB友達のフランス法専門家の弁護士さんによれば、女性弁護士はパートナーになりにくいので報酬の格差が固定化しているといわれている。これは、女性にお金になる仕事が来ないので売上が少ないということによるらしい。
やっぱりガラスの天井があるのだ。日本はもちろんだが、フランスにも。
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