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2017/03/11

scandale 安倍晋三記念小学校が潰れるのは良いが・・・

安倍晋三記念小学校と銘打って寄付を集めていた森友学園の小学校が、ついに開校できないこととなった。

幼稚園児に教育勅語を暗唱させるとか、安倍晋三夫人の昭恵さんを招いて安倍総理への感謝を子供に述べさせるなど、とにかく安倍晋三首相へのすり寄りが目立つところだった。
安倍氏の側もそれに応えて、安倍首相自身も籠池理事長の教育理念を持ち上げてみたり、夫人が何度も訪れ、名誉校長にも就任し、ウェブページ上に挨拶を載せていた。

しかし8億円相当と鑑定される土地を、他の学校には6億円くらいで払い下げするのを安すぎると断っておきながら、森友学園には1億円少々で売却し、しかもその1億円少々も補助金等々で国等が負担して、結局タダ同然で土地を入手したのではないか、そこに政治的な圧力なり思惑なりがあったのではないかという疑惑が浮上した。

それからというもの、安倍晋三首相は手のひらを返したように籠池理事長の人格にケチをつけるなどし始めて、しかも安倍昭恵さんに至ってはこの学園の教育理念を褒め称えるスピーチをしておきながら、名誉校長は場の雰囲気で断りきれなかったとかいいだし、辞任してウェブページの挨拶も非公開にするなど、森友学園と距離を置きだした。

それからは、堰を切ったようなマスコミ報道の中で、色々と後ろ暗いことが判明し、特に決定打となったのではないかと思われるのが、補助金を沢山もらうために建設費用を26億円としつつ、小学校認可を得るために建設費用を7億円として、その間の15億円とするものもあるという複数の工事契約書の存在だ。
補助金の申請に虚偽があれば返還を、などと国はぬるいことを言っているが、虚偽の契約書を作成して補助金を申請し、給付を受ければ、詐欺の既遂だ。返して済む問題ではない。
Boissonadeaparis2

そんな中で、民事法的にも気になるのが、安倍晋三記念小学校を作るという名目で集めた寄付の行方である。この寄付は、二重に問題があって、寄付金返還義務が生じるのではないかという点が気になる。


寄付というのは、贈与契約であるので、一般の契約の成立に関わる法律行為論が適用になる。
日本民法は、法律行為の要素に錯誤があれば、その契約は無効であり、契約に基づいて引き渡した財産があれば不当利得として返還義務・請求権が生じる。
また、法律行為が詐欺によってされた場合には、その法律行為を取り消すことができ、取り消されれば同様に不当利得返還義務・請求権が生じる。

そもそも安倍晋三記念小学校と銘打った寄付募集に応じたのであるから、安倍晋三記念というのが取り消された以上、それは詐欺または錯誤を理由として返還請求権が生じそうに思うところであった。
この点は契約の要素なのか、それとも動機にとどまるものなのか、周辺事情なのか、疑問の余地はあった。あるいは、カルト的な要素もあるので、板まんだら事件をちょっと想起するところはある。もちろん司法権の限界という話になるわけでは全くないが。

ところが小学校がそもそも建設されないというのであれば、寄付という贈与契約の前提を欠くことは明らかだ。
これを理論的にどう説明するかは色々あって、契約の目的不到達とか、原因 cause の不存在とか言われるのであろうが、解釈論的には錯誤、あるいは事情変更の原則というあたりになろうか。いずれにせよ、契約の無効と不当利得返還義務・請求権が生じることになる。

もちろん一連の過程で重要なことは、ここではない。以下のような疑惑が残されている。忘れてはならない。
・安倍晋三記念などと銘打って現政権に擦り寄っていたこととタダ同然で土地を手に入れていたこととの関係がどうだったのか。
・同じように安倍氏の友人が公有地をタダで入手していたこととの関係。
・それらも含めて、日本会議に関係する人たちがこうした利益共同体を形成しているのではないかという疑惑。
・森本学園 については、その塚本幼稚園が子供達を虐待していたのではないか。
・そして子供達に教育勅語を暗唱させることに象徴される塚本幼稚園の教育方針は、安倍昭恵さんがいうように優れたものと評価できるのかどうか。

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