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2017/03/31

日本版amicus curiae発動

NHK受信料支払い請求訴訟で以下のような報道がされている。

受信料訴訟、最高裁動く 法務省に異例の要請

NHKが東京都内の男性を相手に受信契約を結んで受信料を支払うよう求めた訴訟の上告審で、最高裁が年内にも下す判決を前に法務省にこの問題で異例の意見陳述を求めていることが分かった。受信料制度を定めた放送法64条の合憲性という国民の関心が高く、社会的な反響も大きいテーマだけに、国側の説明に耳を傾けて参考意見とする狙いもありそうだ。
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この意見照会の根拠となるのは、以下の条文である。

国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律

第四条  法務大臣は、国の利害又は公共の福祉に重大な関係のある訴訟において、裁判所の許可を得て、裁判所に対し、自ら意見を述べ、又はその指定する所部の職員に意見を述べさせることができる。

この規定は、当事者としてでも証人・鑑定人としてでもないので、第三者の意見を言う稀有な機会ということができる。最近では第三者審尋や調査官、司法委員、専門委員など、第三者的な立場からの意見の可能性が拡げられているが、それらとは別の公益的な立場からの意見のチャンネルは、米国で行われているアミカス・キュリアエ(法廷の友)に類するものである。

アメリカでは、弁護士会連合会なども積極的に意見書を提出するし、NPO/NGOも自ら積極的に意見書を提出する。ABAが提出した意見書についてはウェブページで見ることができる。

日本では、知財高裁において当事者を通じて訴訟事件に関する意見を公募した例が有名であるが、制度的なものではない。

そして今回の最高裁の事例のように裁判所が要請して意見を提出するというのであれば、知財高裁のように明文規定がなくても事実上実施することができるし、訴訟上は当事者が賛同する限り、当事者提出の書証と扱えばよい。
むしろ、アミカス・キュリアエの機能として重要なのは、裁判所も当事者も求めていない意見を第三者が提出することにあり、それこそ公益目的での訴訟には必要なことでもある。

ただし、処分権主義・弁論主義を基調とする通常の民事訴訟でそれが適切かというと、難しいところではある。

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