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2017/01/15

Law:外国語、特に英語で法令を周知させる必要性が改めて示されている

富士通がニフティを何処かの家電量販店に売り飛ばすという報道を見て、このココログも売り飛ばされるのだろうなと思うと、10年以上続けたmatimulogの継続インセンティブが益々失われるのだが、それはともかく、ドローンに関して外国人に規制がわかりにくいという記事に接した。

訪日外国人が日本の航空法に反してドローンを飛ばす理由

Himejichateau

ちょっと前に姫路城にドローンを落とした訪日外国人がいてけしからん的なニュースが流れたが、それはむべなるかなの事情がある。
要するに、こういうことだ。

・まず英語による日本法の解説ページがないか、あっても検索にヒットしない。
 何もSEOに金をかけろというわけではない。ドローン規制については総務省の英語による広報があるが、そこには画像内を除いて一つもdroneという単語を使っていないそうだ。

・英語では完結せず、結局、日本の法令を読まないと規制の内容が判明しない。
 「〜〜を除く」の〜〜の部分が、具体的に英訳されておらず、その内容を知るには日本法令ページに行くしかないという。

・分かりやすいはずのイラストも、不十分な情報しかなければミスリーディング

ということで、詳しくは上記のサイトを御覧いただきたい。他国のガイドラインが検索にヒットする状況とか、詳細に書かれている。

さて、日本に外国人が一杯来てほしいというのが現政権の立場である。現政権はともかく、オリンピックをやる以上は、たくさん来るに違いない。そして彼らの中の多くが自前のドローンを持ってきて空撮を試みたい、それをSNSなどで共有したいと思っていることは想像に難くない。

その彼らに、日本政府は、日本の規制を押し付ける。それは当然として、日本の規制をきちんと知らしめることをせずに、知りようのない規制に従えというわけだ。

おそらく、これはワナである。

150年前なら、治外法権、日本法はともかくとして外国の法律に従っていればよく、違法行為の裁判も日本では行えず外国が行う、そういう世界であれば、外国人が読めない法令でも何の問題もなかったが、21世紀でそれか、ということになる。
21世紀にもなって、治外法権を押し付けられる状況が改善されていないと知ったら、江藤新平から箕作麟祥、梅謙次郎などはもちろん、明治の元勲がそろって嘆くことであろう。

もちろん法令の英訳は、法務省を著作権者とする日本法令外国語訳データベースシステムで、ある程度行われているのだが、それでは全く不十分という趣旨である。

ということで、とにかく法令と、その法令の分かりやすい解説を、公式に、少なくとも英語で、できれば訪日外国人の数の多い中国語と韓国語で、整備することが、2020年までの喫緊の課題だ。

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