Franceで、FBの友達関係を理由に忌避を申し立てた事例
控訴院は、フェイスブックで用いられる友達amiというのが伝統的な意味での友情を意味するものではなく、ソーシャルネットワーク上で接触を持つことを意味するだけであること、そのようなソーシャルネットワーク上での接触が特定の党派性(偏頗性)ありと言うのには十分でないこと、ソーシャルネットの友達は同じ利害関心を共有しているにすぎず、本件では特に同じ職業を共有しているにすぎないものであるとした。
かくして、フェイスブックで友達関係にあるからと言って忌避は認められないと結論づけ、破毀院もこの結論を是としたのである。
一見する、当然にも思えるこの結論だが、ダローズの解説者はやや異論を唱えている。
フランスの判例は、ある時はフェイスブックでの友達関係を仲間内の関係と認めていて、その間で上司の悪口を書いたとしても、名誉毀損とはならないという趣旨の判断をしていた。
そのことと、上記のような単なる接触にすぎないということとは、やや一貫性がないというのである。
さて、日本ではどうか。
例えばブリーフ判事で有名になった裁判官が、TwitterでもFacebookでも多くのフォロワーないし友達を獲得していることは周知の事実だ。かくいう私も、友達関係を認めてもらっている。
あるとき、私に対して何かの民事訴訟を提起した人が出てきたとして、その訴訟が白ブリーフ判事の下に係属したことから、町村と白ブリーフ判事とはフェイスブックで友達関係にあって公正な裁判が期待できないと主張し、忌避申立てをしてきたら、さてどう判断されるか?
日頃フェイスブックで遊んでいる人は、上記のフランスの破毀院のように、友達関係というのは単に互いの書き込みを見せ合う関係で、場合によっては書き込んだら通知が行くという関係にすぎず、それ以上のものではなく、ましてや親しい仲間であるとか、えこひいきが期待できるとかの関係ではないことが了解できるであろう。
実際フェイスブックの建前は顔見知りの間での連絡で見知らぬ人との友達関係はないことになっていても、あったことのない「友達」は限りなくいる。白ブリーフ判事とも、(多分)面識はない。
しかしながら、それが日本の裁判所に果たして通じるものかどうか、何らかの先入観によって歪められるおそれは、必ずしもなしとはしない。
ネットを通じてこのエントリをご覧になった裁判官は、そんなことねーとおっしゃることであろうが、そのようにネットに親しんでいるわけではない法曹には、そうした常識も通じないおそれがある。
杞憂ないし言いがかりであろうか?
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