Book:カトシンのリーガル・エクササイズ
密林をさまよっていたら、加藤新太郎教授・元判事の興味深そうな題のKindle本に出会った。
Kindleにはお試し読みができるので、いわば立ち読みみたいな感じになるが、加藤元判事の語り口そのままのエッセイだが、ご自身の法曹志望の経緯や、判事補の窓口研鑚など、引き込まれてしまって、結局全部買ってしまった。
ということで、今年読んだ3冊目である。
ちなみに、加藤元判事といえば、法曹倫理に関する著作群がある。
法曹倫理という分野は法科大学院ができるときに学問分野として成立させられたが、勿論それ以前から概念としては英米法の影響の元に日本でも存在し、特に弁護士倫理に関しては実体規範と手続法とが弁護士法と弁護士会の会規により発展していた。
加藤元判事は、その弁護士倫理からさらに進んで特に民事手続における弁護士と裁判官の職責論に踏み込み、弁護過誤や民事訴訟上の主張立証ルール、釈明等のルールとの関係を確立していった。
その結果、手続裁量をめぐる議論にも発展していった。
そのような加藤元判事であるから、法律家の行動にまつわる出来事には感度が高い。その姿勢は勿論裁判官の立場からのものではあり、例えば先日読み終えた希望の裁判所などとは全く次元が異なるものである。
どちらかというと、現場感覚や仕事の日常に根ざした内容ということになろうか。
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