Book:民事訴訟・執行法の世界
中野貞一郎先生の論文集『民事訴訟・執行法の世界』
渋い装丁の本書は、中野先生の様々な時代の様々なテーマが集められている。
冒頭の「民事裁判と憲法」と題する論文は、講座民事訴訟の第一巻に収録されたもので、私の学生・院生時代のものだ。
この時代、ドイツの審尋請求権の影響もあり、日本では憲法と民事訴訟法をめぐる議論が一時盛んであったが、少し時代を先取りしていたというべきであろうか。
現在、欧州人権裁判所の裁判例を通じて、ヨーロッパ各国の国内民事訴訟手続に憲法的保障が要求されており、その方面の理論的な関心も高くなっている。
我が国の現在の議論状況も、その影響を密かに受けているのではないかという感じもしている。
その意味で、もう一度中野先生の論文を読みなおしてみようと思う。
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