DV:近藤恵子さん、怒りの告発
東洋経済が
3日に1人妻が殺される!日本のDVの実態
支援歴20年のベテランが怒りの告発
という記事を配信している。
警察統計によると、日本では今も3日に1人ずつ、妻が夫によって殺されています。内閣府の調査によると、成人女性の3人に1人がDV被害を体験しており、20人に1人は、殺されそうな目にあっています。これは、年間1200万件の刑法犯罪が起きているということになり、そのうち180万件は殺人未遂事件ということになります。
この状況のひどさについて、そして対策が急務であることについては、手前味噌だが、わたくしたちの研究グループも法はDV被害者を救えるか ―法分野協働と国際比較 (JLF叢書 Vol.21)という本で主張している。
それにしても、この記事で近藤さんが言っているのを見ると、現在の実務が全体としてほとんど進歩していない、問題は解決どころか、悪化しているとすら言いたくなる。
なんとなく学童保育問題を思い出すのだが、公的なシェルターが民間シェルターよりも質が劣る、にもかかわらず公的シェルターが広まることで質の高い民間シェルターが押しつぶされていく、そんな傾向すらありそうである。
現政権の女性の輝く社会と言うのは、shineという単語から二面性を感じてしまうのだ。ここにも格差社会の肯定が現れているような。
ただし、警察の対応自体は、全体として積極的になっているという評価もできることは忘れてはならないと思う。改善すべき点がいかにたくさんあろうとも、批判ばかりしていると、改善へのインセンティブは失われてしまうからね。
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