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2016/07/01

book:あたらしい憲法草案のはなし読了

今年読んだ27冊目はあたらしい憲法草案のはなし

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日本国憲法ができた時に、文部省が「あたらしい憲法のはなし」と題する小冊子を作成し、新憲法普及に努めた。
その小冊子の体裁と、文体も取り入れて、自民党の憲法改正草案を解説したのが本書である。本書には末尾に自民党の憲法草案のみならず、「あたらしい憲法のはなし」も収録されているが、それ自体も面白い。天皇の部分とか、戦争放棄とか、敗戦から間もない頃の日本政府が国民にどう説明したのかは興味深い。

本書のはしがきには「できるだけ草案をつくった人びとの気持ちによりそい、そこにこめられた理念や内容をつたえたいと考えました。改正の意図がわからない点は自民党が出している資料などを参考にし、それでもわからないときは、起草者の身になって考え、ことばをおぎないました」とある。

本書を一読し、どの辺が補われたものか、探してみるのもまた一興ではある。

本書の特徴は褒め殺しという言葉がぴったりくる。

自民党の憲法改正草案のページもご参考。

しかしながら、麻生大臣のワイマール憲法は誰も気づかないうちにナチス憲法に変わった。あのナチスの手口に学べという発言に学んで、両院で3分の2勢力を目指す参院選で、自民党の候補者は安倍総裁以下すべて、殊更に憲法改正の争点隠しに励んでいるようである。ナチスの手口に学ぶ学習能力はあるわけだ。

にもかかわらず、改憲を真剣に目指していることは既に何度も安倍総裁自身が言及しており、この参院選は自民党の改憲案の方向に一歩を踏み出すことの是非を問う選挙であって、それが第一の争点であることを忘れるべきではない。

そして自民党の改憲案は、国民が個人としては尊重されなくなり、権力を縛るどころか権力が国民に義務を課す法律となるものだということが、本書からも読み取れる。
また外敵の危機を煽り立てて自作自演の緊急事態を口実に基本的人権を制限できるようにしようと言うのも、すぐにやろうとしている自民党の改憲案。

しかも、その自民党の改憲を目指す勢力では、こんな憲法草案では物足りない、国民主権も無くしてしまえと公言して憚らないのがいる。そんなすごいことを発言しても、全然スキャンダルにならないということにも驚きだが、ともかく、そんなのが安倍内閣の法務大臣だったということは、記憶しておくべきことだ。


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