中立とは? 与党で3分の2の議席を占めると、君たちが戦争に行くようになるかもというのは中立ではないか?
参院選期間中の5、6日、名古屋市立中学校の50歳代の男性教諭が社会の授業で「与党の自民・公明が議席の3分の2を獲得すると、憲法改正の手続きを取ることも可能になる」「そうなると、戦争になった時に行くことになるかもしれない」などと発言し、その後、生徒に「誤解を与えた」と謝罪したことがわかった。
市教育委員会などによると、教諭は1年生6クラスの授業で、参院選や「18歳選挙権」に言及。「将来、徴兵制の問題も出てくるかもしれない」「韓国のように一度軍隊に入る国もある」「みなさんも18歳までまだあと5年あるが、よく勉強して」とも話したという。
例によって保護者のご注進で教育委員会が「教育基本法で求められている政治的中立性の観点から不適切」と学校に指摘したようだ。
しかし、この記事に出ている限りでは、どの当たりに中立性を害するような点があるのか、さっぱりわからないのである。
「与党の自民・公明が議席の3分の2を獲得すると、憲法改正の手続きを取ることも可能になる」
これは全くその通りではないか。そして現に、その他の改憲勢力と合わせて3分の2を超えた与党・改憲勢力は、はしゃいで憲法改正だと言っているではないか。
同じ読売新聞によれば、首相ですら「憲法改正に関しては、衆参両院の憲法審査会で与野党が議論を始めることに期待感を示した。」そうである。
「そうなると、戦争になった時に行くことになるかもしれない」
これまた、自民党の憲法改正草案によれば、最も危惧される点である。何しろ現行憲法9条の下でぎりぎり許される自衛のための戦力としての自衛隊と集団的自衛権であれば、まだしも、憲法改正して国防軍を持つということであれば、徴兵だってありうるし、先制攻撃用の兵器だって核ミサイルだって別に違憲とはならないであろう。現行憲法の下では流石にこれらは違憲だろうけど。
「将来、徴兵制の問題も出てくるかもしれない」「韓国のように一度軍隊に入る国もある」
ということで、自民党の憲法改正草案で最も危惧されるのが、若い中学生あたりのみんなが戦争に駆りだされる恐れなのである。
ついでに言うと、韓国では戦争に駆り出された結果、ベトナム戦争にも参戦した歴史を有する。若い、徴兵のおそれのある中学生たちが、自民党流の憲法改正草案を見て、隣国の戦争に参加した歴史も学び、現実の可能性として自分たちがベトナム戦争クラスの戦争に活かされるかもしれないことを認識することは重要であるし、それは客観的な事実にもとづいているのである。
これが中立性を害すると言われるのであれば、憲法を改正したらどういうことになるのかということを議論することは出来ないであろう。
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