election:参院選、日本の将来の憲法のあり方がかかった選挙だ
麻生元総理は言った。
「憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね」
学んだ安倍首相は両院で3分の2勢力を目指す参院選で、殊更に憲法改正の争点隠しに励む。
自民党・公明党の候補者たちも、麻生元首相のいうナチスの手口に学んで、憲法改正の争点隠しに励んでいることは、毎日新聞が調べてくれた。
ナチスの手口に学んでいないのはたった一人だ。
ちなみに、各党・各候補者がどんな考えかの一端を可視化したサイトは大いに参考になる。
設問の作りはともかく、可視化という点では素晴らしい。
設問を選ぶと、各党の位置が動くが、例えば自民党としての立場を答えているのは誰なんだろうという点も気になる。
テレビでは「憲法改正を争点に論戦が始まりました」と言っている。
このように言われると、いよいよ憲法改正の是非がかかった選挙だと実感する。
しかも、選挙後は改正に突き進むという首相が、どう改正するかはまだ分からないから具体的には争点としないといいつつ、なお次の国会からは憲法改正にまっしぐらになるともいうので、憲法改正発議の内容を白紙委任するかどうかの選挙ということだ。
つまり、この選挙で自民党・安倍政権に投票するってことは、憲法改正発議の内容を自民党の人たちに白紙委任するということだから、具体的なことを言ってくれない以上、自民党の憲法改正草案を参照するしかない。
首相が改正内容はまだ決めていないというのは、単にどこから手をつけるかは決めていないというだけで、いずれは草案のようにするつもりというわけだ。
自民党の憲法改正草案は→http://constitution.jimin.jp/draft/
自民党自身のQ&Aに書いてある改正の主要項目は以下のとおり。
国旗・国歌の規定自衛権の明記
国防軍の保持
家族の尊重
環境保全の責務
財政の健全性の確保
緊急事態の宣言の新設
憲法改正提案要件の緩和
同じくQ&Aには「国民の憲法尊重義務を規定」ともある。
またQ&Aの具体的説明には、戦争放棄に関して、侵略目的での戦争だけを放棄するとし、自衛権はもちろん、制裁目的での戦争も許されることになり、しかも集団的自衛権の行使は無制限となる。
ちなみに、こんな自民党の憲法改正草案でも、自民党内では異論があるそうで、どんな異論かというと、これがすごい。
安倍首相が第一次内閣で法務大臣にした長勢という人、「国民主権、基本的人権、平和主義、これらは日本に押し付けられたもので、これらをなくさないとならない」(大意)そうだ。
よくこんな人と同席したり、こともあろうに法務大臣に任命できるな、安倍首相というしかない。
しかしこの人は安倍内閣では決して突出した存在ではないし、あの、日本国憲法は無効だといい出す「日本会議」に帰依する議員が大多数を占めるのが安倍内閣だということを思い出そう。→Book:日本会議の研究
そうはいっても、憲法改正には国民投票があり、国会議員は発議するだけ云々という人が散見される。首相もその趣旨のことを言っているが、自民党などの改憲勢力に投票して2/3の議席を与えることは彼らの憲法改正の方向にコマを進めること自体は否定するべくもない。
そして、国民投票があるからといえば、あたかも憲法の内容をどう変えるか、内容決定も国民が直接できるように聞こえるが、憲法改正の内容を決めるのは国民ではなく国会議員の両議員2/3で、国民ができることは、その内容にイエスノーを言えるだけだ。
繰り返しになるが、その改正の具体的内容は選挙で問うつもりはないと首相がいうのだから、憲法の内容を白紙委任しろというのが今回の選挙というわけだ。
そして18歳になった若者たちに分かりやすいのが、シールズのサイト。
シールズによる参院選四つのポイントは、その内容に全面的に賛成するわけではないが、簡明で参考になる。
若者たちは、自分の将来を思い描いて、個人の自由より公益が優先されるような社会になることの是非を考えて投票することが重要だ。
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