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2016/06/23

decision:氏名権関連で通名禁止を強いた雇用主に賠償命令が確定

最決平成28年6月16日

おそらく上告不受理決定だとは思われるが、下記のような報道がされている。

韓国名強要で賠償確定=在日男性が社長訴え-最高裁
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確定判決によると、男性は韓国籍だが日本で生まれ育ち、日常は日本名の通称を使用。しかし、勤務先で2012~13年、社長から「朝鮮名で名乗ったらどうだ」と繰り返し言われたり、同僚の前で在日韓国人であることを公表されたりした。

 静岡地裁は「著しく不快感を与えるもので、自己決定権やプライバシー権を侵害する」と批判して賠償を命令。東京高裁も支持した。

在特会とその一党が聞いたら怒りに震えそうな内容かも知れないが、至極妥当である。

ちなみに、氏名権に関しては、このブログでついこの間に言及したSNSでなりすまされない権利というのがあり、その判断は一般論として以下の様な判示をしていた。

佐藤哲治裁判長は、原告の主張に沿う形で、アイデンティティー権を、他人との関係で人格の同一性を持ち続ける権利だと定義。成り済ました人物の発言が、本人の発言のように他人から受け止められてしまい、強い精神的苦痛を受けた場合は「名誉やプライバシー権とは別に、アイデンティティー権の侵害が問題となりうる」とした。

 この権利は憲法一三条で定める幸福追求権や人格権から導かれるとする一方、「明確な共通認識が形成されているとは言い難い」とも指摘。「どのような場合に損害賠償の対象となるような成り済まし行為が行われたかを判断するのは容易ではなく、判断は慎重であるべきだ」と述べた。

自分がどのように名乗るのかを決める自己決定権と、他人に自己のなりすましをされない権利とでは、随分と違うようにも思われるかもしれないが、いわゆる自己決定権と、そのコロラリーとしての氏名への権利保護という文脈では共通するものがある。

そしてその文脈は同時に、夫婦別姓制度にも通じるものがあるわけである。つまり、自己の氏名としての選択は、原理的に法的保護に値するという考え方である。

ところで、夫婦別姓に関しては、最近選択的夫婦別氏制 これまでとこれからが出ている。

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