憲法がまだないNepalで迎える憲法記念日
ネパールのTewa Centerに到着した。
昨日まで泊まっていたホテルは客室のWiFIが微妙で、SNSにもアクセスできたりできなかったりだったが、ここテーワ・センターのWIFIは今のところ順調だ。
これから7日までお世話になるところだが、Tewaとはsupportの意味のネパール語である。このセンターを運営する団体の設立趣旨は、女性支援団体を支援するというもの。要は、NPO 支援のためのNPOである。
1996年に、北京女性会議が開催された直後に設立されたもので、男女格差やカーストの残るネパール社会にて、平等な社会を目指すために活動している。
さて、そのネパールだが、首都カトマンズしか知らずにいうのも何だが、印象は、「震災の被害を脇に置きながらたくましく生きる喧騒の街」というところである。
ネパールの王様は、2001年に宮殿内で前々国王一家がほとんど撃ち殺されるという惨劇の後、その王子でたまたまその場にいなかった前国王が即位し、その後2008年に王制廃止となった。現在は民主連邦共和国となっている。
表題には「憲法がまだない」と書いてしまったが、実は2015年9月20日に、新憲法が公布されている。しかし、新憲法によりインド系住民が不利となるとしてインドとの関係が緊張したりして、1月に早くも改正がなされたりと、なお安定しているとは言いがたい状況のようである。
→ネパールの新憲法、いよいよ2015年9月20日公布。最終憲法案に残る争点と、外国人が今後注意すべきこと。
Timeline of the new Constitution of Nepal 2072 / 2015 AD
憲法が長年にわたって公布されないでいたのに、急遽公布にこぎつけたのは、2015年マグニチュード7以上の強い地震に二度も見舞われ、国際的な援助を求める必要があったといわれている。
実際、被害はヒドイものである。
その爪あとは、1年経った現在でも首都カトマンズでもそれ以外の都市でも、至る所に残っている。
2012年の地震前のネパールを訪れた方のブログではネパール最大の仏塔が綺麗に写っていたが、地震によりご覧のとおりの惨状となっている。
まだ、この仏塔は世界に誇る設備なので、修復作業が進められているが、それ以外のところは放置されたり、上記の右の写真のように「耐震補強」が施されて使われ続けたりしている。
政治と法の状況については、これまた地震前のものだが、「ネパールにおける現行民事法の現状と今後の立法動向」(pdf)が詳細で参考になる。
ネパール憲法の内容については、公益社団法人日本ネパール協会のネパール新憲法の概要というページが有益である。
書籍では、更に古く王制時代のものだが、以下のものがある。
D29 地球の歩き方 ネパールとヒマラヤ 2013~2014 (ガイドブック)でさえも地震前の状況だが、頼りになる。
そのカトマンズの町中は、文字通りの喧騒である。
ALWAYS 三丁目の夕日に出てきそうな未舗装・一部舗装の通りに、しかし車とバイクと自転車と人とが殺到して、互いにクラクションで威嚇しながら少しでも早く行こうとしのぎを削っている。道を渡るにも、横断歩道はほとんどなく、あっても車が停まるわけではないので意味はなく、慢性的渋滞でスピードが出ていないのを良いことに、多少のゆとりがあれば車とバイクを手で制しながらさっさと渡るしかない。
しかもそこに犬や牛や山羊や鶏や猿や、場合によってはカモとかも徘徊している。
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