DV加害者の更生はどうなってる?
「配偶者等に対する暴力の加害者更生に係る実態調査研究事業」報告書(PDF)が内閣府から公開された。
名古屋の可児先生が検討委員の筆頭に挙げられている。
内容は自治体に対するアンケートと加害者更生団体と被害者支援団体へのヒアリングに基づく、
加害者更生プログラムの実施団体も、被害者支援団体も、立場の違いが視点の違いや力点の違いにつながっているところがあるが、認識はほぼ共通しているのであろう。
被害者は、多数の被害者が逃げるという道を選ぶわけではなく、加害者に変わって欲しいと思っていること、他方でどうしようもなく逃げるケースや離婚を選ぶケースは、それはそれで加害者更生プログラムの存在により妨げられることがあってはならないということである。
また、保護命令が加害者更生プログラムの受講と結びついていない点、あるいは刑事処分と加害者更生プログラムが結びついていない点も問題のあるところである。
強制して受講させればよいかというと、そんなことはないのだが、しかし後押しは必要である。
ということで、今後の展開が期待される内容である。
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