book:科学的証拠とこれを用いた裁判の在り方
基本的に刑事訴訟における科学証拠の扱いに関するものであるが、デジタル証拠やデジタル・フォレンジックに関するものはノータッチである。
中心となるのは、DNA鑑定や残留物鑑定、そしてうそ発見器の利用の可否などについてである。鑑定試料を全部用いて消費してしまった場合の証拠能力の議論にも言及されているが、この点についての検討は、捜査の必要性を全面的に優先させているようである。
なお、民事訴訟においても鑑定と裁判所の自由心証との関係は問題となる。そして複数ある鑑定意見書が反する結論をとっている場合にどうすべきかとか、鑑定結果に対する当事者の異議はどのような場合に取り上げられるべきなのかといった共通する問題については、本書は参考になるところが多い。
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