investigation検証令状で、クラウドのメールサーバの捜索・複写をしたら違法
なかなか仕事に戻れないが、重要なニュースが目に入るので仕方がない。
カナロコ:神奈川県警が令状なくサーバー捜査 地検、違法性を認める
この記事によると、神奈川県警はパソコン本体の中の記憶装置しか捜索できないはずの検証令状をもって、押収した被疑者のパソコンからインターネット経由でクラウドサービスにアクセスし、そのサービス内のメールデータを差し押さえたのだという。
ネットワークでつながったサーバーの内容を差し押さえるための令状は、逮捕時に取得していたが、期限切れだったようだ。
弁護側は違法収集証拠排除法則を主張。
これに対して検察側は違法性を認めるとともに、別の証拠で有罪を取れるといっているので、裁判所としては安んじて違法収集証拠排除を認めたら良いと思う。貴重な先例である。
ちなみに、ネットワークで結ばれたサーバー上のデータの差押えは、刑事訴訟法99条および218条2項に規定がある。
第二百十八条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。○2 差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成若しくは変更をした電磁的記録又は当該電子計算機で変更若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。(以下略)
上記の記事では「押収したバソコン」の内部を捜査したときに、ネットワークを通じてクラウドサービスにアクセスしたように書かれていて、警察署内で警察のネットワークに接続させてクラウドサービスにログインしたようにも読めるが、差押え対象パソコンがその場でつながっているネットを経由したであろうと想像される。
ちなみにこの規定は外国でもあって、フランスでは刑事訴訟法典57-1条に、司法警察官等が捜索に際して捜索場所にあるコンピュータにアクセスし、そのコンピュータに記録されているデータ、またはそのコンピュータからアクセス可能な別のコンピュータに記録されているデータにアクセスし、それらのデータのコピーを取得することができると規定している。
クラウドコンピューティングサービスについてもこれでカバーできる。
このことは、昨日紹介した拙編著『電子証拠の理論と実務─証拠・保全・収集─』の第2章に紹介してある。
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