外国人労働者を安く使うのはFranceも同じ
テレビでは、様々な企業が取り扱われていたが、フランス国内の工場で働いていながら、外国人は時給が5ユーロと最低賃金の半分程度、週45時間も働いているという例があった。
しかし、その労働者は、年収が自国で働くよりも数倍に上るとして、自分にとっては良い待遇だと言っていた。
またトラック運転手の場合は、特に東欧、出てきたのはルーマニアだったが、ルーマニアの運転手をSNCFの子会社が雇用して、その賃金はルーマニア国内の水準におさえていた。月給200ユーロから300ユーロくらい。これに対して普通のフランス人運転手は1000ユーロから2000ユーロであり、ひどい低賃金である。
これは外国人差別ではないか、違法ではないかとジャーナリストは突っ込むのだが、会社側は、ルーマニアを拠点として運転手をやっているのだから、ルーマニア基準で当然だという。
ルーマニアを拠点としているのかフランスを拠点としてるのかは、見解の対立があるようだった。
翻って、日本の状況はこうした国際的な雇用が大々的に行われる状況にはないので、こういう形での問題は現れていない。しかし、本音と建前が乖離して現代の奴隷制度とまで言われる研修生制度があり、日本で事故にあって逸失利益を計算するときは本国基準で安く済まされるといった問題が起こっている。
ちなみに日本よりも賃金水準が高い国の人が日本で事故死したら、その逸失利益は高い賃金水準の本国基準に従うのであろうか?
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