NHK:子どもを産めなかった40代女性は良い捨て石になろう
子どもを作れなかった我々は「良い捨て石になろう」 小野文惠アナの発言にスタジオ絶句
小野文惠さん、相変わらずの率直さで番組を引っ張っていっているようだ。
「私も40代なので、20歳くらいの時に高齢出産のニュースを見て『50歳くらいまでに産めばいいのかな』と思っているうちに手遅れになりました。でも、ちょっとでも希望があるならと希望をつなぐ人たちの気持ちは、痛いほど共感できますし、そこに手を差し伸べないのは、無念っていうか……」
「20代30代の、今、もうちょっと仕事頑張らないとっていう時期、産めるような社会でもなかったですよね? 『そんな状況じゃなかったんですけど!』っていう、その辛さをどこに振り向けたらいいのかな…」
そして、同世代のディレクターの言葉として、
「私たちは、捨て石だと思うんですよ。でも小野さん、いい捨て石になりましょうよ。この無念を良いエネルギーにして、世の中に貢献できること探しましょうよ」さらにスタジオに向けて「良い捨て石になるには、どうしたらいいと思われますか?」と問いかけました。
捨て石という言葉を聞き慣れていない人にとってはショッキングな言葉だったようだが、私の知っている捨て石というのは局面を有利に運ぶためにわざと犠牲にする石を置くという碁の戦略のことであり、上記記事では土木工事に用いられる基礎固めの石の意味を紹介している。
あまりこの比喩的な言葉にこだわっても仕方がないのだけど、小野さんの問いかけには、やはりそうやって一定の地位を掴んだ人たち(女性のみならず男性も)が、今、若い子育て世代の人たちにとって、子育てと仕事とを両立できるような社会を作るように、多少なりとも尽力するということに尽きる。
さて、フランスは日本人が羨む少子化問題対策のチャンピオンで、ヨーロッパの中でも、女性の出産率は高い。
合計特殊出生率では2.1を記録している。
他のヨーロッパ諸国では、イギリス、スウェーデン、ノルウェーが1.9前後で良い所に付けており、フィンランド、ベルギーも1.8程度なのだが、1.4台にはチェコ、オーストリア、イタリア、1.3台にはドイツ、スペイン、ポーランドといったあたりが並んでいる。
フランスの成功の鍵は、言うまでもなく、子育てにかかるコストを社会が肩代わりする子ども手当(児童手当)や保育施設の充実、バックスなどの非婚姻カップルの増大が挙げられようが、その他に、男性も女性も自分の私生活を犠牲にして会社に尽くしてようやく一人前という常識が全くないことが大きな理由だと思う。
小野さんのように、男社会の中で一定の地位をつかむために、子どもを産んでいる場合ではないという状況に追い込まれることが、少なくとも一般の会社員のレベルではあまりないであろう。
ただ、そんなフランスでも、やはり大多数は女性が家庭と子育てを主として担うわけで、男女格差は厳然として残っている。フランス人はそのことを不断に問題視している。
しかしそのレベルは日本とはまるで異なるし、そもそもそういう問題意識が共有されていること自体で、日本は既に負けているのだが。
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