Juge:国際司法裁判所所長・安達峰一郎について
脈絡がよくわからないが、1931年にデン・ハーグ国際司法裁判所所長となった安達峰一郎氏についての記事が、週刊ポスト関係のネットメディアに出ている。
ホームページもある。
この写真は同ホームページより引用。
週刊ポストには、以下のような一文がある。
「第一次大戦後、カリフォルニアで日本人の移民問題が起きた時には、ヨーロッパ人の移民は規制しないのに日本人は規制するという内容に、安達は日本を代表してきちんと法律論に則って不合理があると訴え認めさせました。当時、国際連盟事務次長だった新渡戸稲造をして『安達の舌は国宝だ』といわしめました」(吉田常務理事)
こうした実績を見ると、差別される側としての日本人が、理を説いて正当な扱いを認めさせることの重要性がひしひしと感じられる。クジラの問題について敗訴したら国際裁判に背を向けるといった現在の日本政府には、劣化の誹りを免れない。
日本国憲法前文の一節を思い起こさざるをえない。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
上で紹介されている安達氏のような日本人の行動こそが、「国際社会において名誉ある地位を占める」のに必要であり、軍事行動に参加することではないことを強く感じる。
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