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2015/12/07

RDDの弊害〜夫婦別姓賛否のNHK調査について

NHKが、夫婦別姓選択制の可否について世論調査を行って、その結果が「「夫婦は同じ名字を名乗るべきだ」という答えが50%、「同じ名字か別の名字か選べるようにするべきだ」が46%で賛否が大きく分かれている」と報じている。→夫婦別姓 世論調査で賛否大きく分かれる
Justicepolonaise
ところが、その記事中には調査方法として「コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で世論調査」という記載がある。
さらに、世代別の回答者割合について、コメントを寄せた二宮先生は「今回の調査では60代以上が回答者の55%を占めた。」と指摘している。そしてその60代以上が、夫婦別姓選択制に反対する人が多く、50代以下は賛成する人が多い。このような回答者に占める高齢者の割合の多さというバイアスが、全体の結果の反対多数という結果を導いているわけだ。


少し前に、投票率が高年齢になるほど高いということと、政治の傾向が高齢者よりで若者に不利になっているということから、高齢者には投票権を認めないようにしたらどうか的な主張が、特にネットの若手文化人的な人から出されていたことがあった。

その時は、ああ、お子ちゃまがメチャクチャ言うな、そんなお子ちゃま的おしゃべりがそのまま公的言論の場に流れ出ちゃうのがネットの欠陥だよなぁと思ったものだった。

選挙に関しては、そもそも投票に行かない奴が不利に扱われるのは当然の結果だと思うのだが、上記の世論調査に関しては、さんざん言われていることだが、調べ方に問題があると言わざるを得ない。
RDDによる電話調査は固定電話が対象であろうから、固定電話がある家に限られ、かつその調査の時間が昼間なら昼間固定電話に出られる層が回答者になる。

電話を持ち、かつそれに出られる層に限るということでは、無作為抽出という名に値しない。そしてそれが高齢者の回答割合の高さに結びついているとすれば、もともと若い層と高齢層とで意見が分かれそうなテーマの調査方法としては不適切であったというしかない。

ところで、最高裁の裁判官というのは構造的に60代男性が選ばれることになっている。最近では女性も最高裁判事になれるようになったとはいえ、人口比率からすればごく少数、不当なまでに少数に抑えられているし、法的には40代以上で最高裁判事になれるのだが、これまで任命された判事はほとんどが60代である。
裁判官の選任原理は無作為抽出ではないので、これが直ちに不当ということにはならないが、世代的なバイアスやジェンダー的なバイアスがありうることは否定できない。
裁判官たるもの、そうしたバイアス原因が自分にあることを自覚して、感情に流されることなく、適宜、バイアスを修正する方向に自分の考えを見直すことが求められているわけだが・・・。

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