prosecutor反省させるのは今でも必要という検事さん
東京地検の新トップ「特捜部は変化に対応を」
取り調べの可視化が進んでも真相解明は同じ
この記事の中で、「取り調べ室で被疑者に真相を語ってもらい、反省を述べてもらう必要性は、なくなっていない。」と言われているようで、検事さんが被疑者を反省させるという、一見美しい、俗耳に入りやすい話には以下の書籍を思い出す必要がある。
この本を紹介するのは、確か二度目のはずだが、反省させると犯罪者になります (新潮新書)というキャッチーな題名で話題にもなったと思うが、残念ながら取り調べをする方々の目には触れていないようだ。
まあ、言葉の端々で揚げ足取りのようになるのは避けた方が良いが、検事さんの立場で被疑者を自白に追い込み、それを境に表情も変わるとかいう話を見ると、無理やり虚偽の自白に追い込まれて泣いた被疑者を見て刑事さんが、心から改心させた、反省させたと深い満足を覚えたというありがちなエピソードを思い出すのである。
典型例は、あの遠隔操作事件で冤罪被害を受けた五人のうちの二人だろう。その一人はかわいそうに、未成年で、怖い刑事さんに取り調べられて、身に覚えがなくても聞いてもらえず、無理やり自白させられたわけである。
ということで、検事さんの取り調べで被疑者を反省させて真人間に戻すという発想それ自体、刑事司法システムとしては間違っているし、実際にも危ういのである。
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