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2015/12/04

consumer:景表法違反行為がいかにヤリドクかを示す事例

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根拠もないのに黒ショウガがダイエットに効くと広告して多額の売り上げを得ていた会社が、消費者庁から再発防止を命じられて、「真摯に受け止め、再発防止に努める」と答えたと報じられている。

ダイエットサプリに根拠なし 消費者庁が製薬会社に再発防止命令

消費者庁によると、平成25年7月~今年5月、関東や近畿を中心に配布されているフリーペーパーや各地の新聞、週刊誌に掲載した広告で、配合された黒ショウガが脂肪を減らすと宣伝。「短期間でマイナス3キロ」などと効果をうたっていた。通信販売だけで、25年7月の発売から今年3月までに約4万9千袋、計約1億1千万円を売り上げた。

 消費者庁は、同社が提出した資料には効果を裏付ける合理的根拠がないと判断。再発防止策のほか、今後根拠を持たずにこうした表示をしないよう命じた。

命令を受けたのは、源平製薬という会社だが、消費者庁の命令に対して全面的に非を認めてごめんなさいと言っているように見える。

しかし、これで一件落着でよいのか?
1億1千万円を売り上げたと書かれているが、その金はだれが出したのだと思う?
この金は、同社のウソ広告を信じて購入した消費者が出したものであり、騙された人たちには返すのが筋ではないか。
そのような売り上げを返さないで利益として保有しているのは、不当利益というものではないか。吐き出させるのが正義に叶うのではないか?

こうした考え方に基づいて、優良誤認・有利誤認などの景表法違反行為に対しては、消費者が取消権を行使できるようにすべきだというのが、消費者契約法改正の議論であり、具体的に勧誘行為で騙しただけでなく広告行為で騙した場合も取消権を認めようというわけである。

ただし、このようなケースで効果があることを立証することができないのと同様に効果がないことを立証するのもすこぶる困難なので、景表法4条2項は不実証広告について不当表示であることを認める明文規定を置いている。

内閣総理大臣は、事業者がした表示が前項第一号に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、第六条の規定の適用については、当該表示は同号に該当する表示とみなす。

ところがこの規定は行政処分の根拠には使えても、適格消費者団体の差止請求訴訟には使えないという問題点があり、差止請求訴訟による不当表示の防止が実行しにくい一因をなしている。

また、仮に消費者契約法が広告についての不当表示にも取消権を認めたとしても、同様に証明困難がある限り、その実効性は大きく損なわれることになる。

このことは、さらに消費者団体による集団的消費者被害回復制度(→消費者のための集団裁判~消費者裁判手続特例法の使い方参照)が施行された暁にも、改めて問題となることだろう。

なお、こうした不当利益の剥奪を行政処分により実現しようという動きは、課徴金などの方法による不当利益吐き出し制度にも期待されるところである。この方向では消費者への還元が伴わない、あるいは伴いにくいというのが一つの難点ではあるが。

やはり、立法論としては、上記景表法4条2項の規定を(特定)適格消費者団体の質問にも適用できるように、消費者契約法や消費者裁判手続特例法に明記すべきなのである。

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