Parisのテロ、無関心は最大の罪
パリの vendredi 13のテロから2日、フランスでも世界でも、またネット上でも様々な反応が現れている。
この写真は、フェイスブックが素早く提供したプロフィール写真の改造で、フランス国旗トリコロールを元の画像の上に配置する仕掛けだ。
同じような仕掛けはLGBTに関連してレインボウカラーをかぶせるとか、日本が大地震大津波でひどい目にあった3.11のときに日の丸的イメージを付けるとか、折にふれて行われている。
それぞれの出来事に関して、個々人がどのように反応するのかは、個々人の自由であり、個々人のおかれた立場や境遇、住む場所とか関心を持っている人・物などによって影響されて、様々だ。
ちょうど、人が死んだら、そのお葬式に行くか、行かないか、花や弔電などを出すか、出さないか、遺族に寄り添うかどうか、その人との生前の関わりや現在の状況によって様々であるように、様々だ。
というわけで、私は上記のような表示をすることを選んだし、それによって共感の意を示すとともに一定のハレーションが起きることはまあ仕方がない。
こんなちょっと言い訳がましい書き方をしているのも、以下の様なツイートが話題になっているからだ。
「敬愛するパリよ、貴女が目にした犯罪を悲しく思います。でもこのようなことは、私たちのアラブ諸国では毎日起こっていることなのです。全世界が貴女の味方になってくれるのを、ただ羨ましく思います。」 シリア出身UAE在住の女性アナウンサー
あるいは、もっと直接的に『Facebook』プロフィールをトリコロールにする前に考えたいことという記事もある。
「それぞれの善悪」が激突している中、フランス側へ「安全と平和を願う」という論理は、欧米側に立った主張であるということを踏まえる必要がある。『Facebook』がアメリカのサービスであることも忘れるべきではない。
さらに、既にパリでのテロが報じられた直後から、その少し前に起きたばっかりのベイルートにおける自爆テロへ言及する人たちは一定数存在した。あるいはもう少し前のトルコで起きたテロ事件にも。
こういった世界各地で様々な悲劇が起きている中、そのどれに共鳴し関心を持ち何らかの行動をするかというのは、個人的には上記で述べたように人それぞれなのだが、上の方で言及したように3.11の時に世界中の人たちがフェイスブックの提供する機能で日本(東北)の被災者に連帯の意を表明してくれたことを、私は忘れられないし、連帯の気持ちを示すことが直接害を被った人たちにどういう思いを伝えることになるのかは、多少とも理解できる。
で、そういうときに、例えばタイや中国でも大地震と大津波で被害があったのになんで日本だけ、とか、そういうことを考えて、自分の気持ちを示すのをやめてしまうのは良くないと思うのだ。無関心は最大の罪だ。
そしてまた、中東で起きていること、アフリカで起きていること(例えばボコ・ハラムによる女子学生集団拉致)にも、中国や香港、北朝鮮などでしばしば起きてきたことと同様に関心を持ち続けることが重要だという思いを新たにした。とは言え、全てに関心をもつことはできないのだが。
なお、今回のテロ事件が持つ社会的な重要性という点では、違う観点がありうる。
無関心は最大の罪、という点では同じだが、ネットで糾弾されている日本地上波テレビの無関心ぶりはひどかったらしい。
実際、日本時間の 14日朝10時ころ、日本の家族に無事を伝える電話をしたら、テレビではちょっとしか報じていなかったから、そんな凄いこととは知らなかった的な反応が返ってきて、あっそうなの、みたいであった。
「おかしいぞ日本のテレビ!」フランス同時多発テロを報道しない在京メディアに各界有識者がいっせい非難
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