fraud:アダルトサイトの不当請求と詐欺
例によって随分前のニュースが最新ニュースとしてネット上に現れるのだが、アダルトサイトの相談が過去最高を記録したことが国センにより発表され、その理由は女性の相談が増えているからだそうである。
国民生活センターは23日、アダルトサイトから一方的に高額な料金を請求されたなどとするトラブルの相談件数が2014年度に10万6279件に上り、過去最多になったと発表した。スマートフォンの普及に加え、女性の相談件数が増えたことなどが主な要因という。
この23日というのは4月のことなので、国センのサイトではアダルトサイトの相談が年間で10万件を突破!が相当する。
同センターによると、相談者の男女別割合は、09年度の男性73.2%、女性26.8%に対し、14年度は男性67.9%、女性32.1%と女性が増加。その原因として、スマートフォンで女性向けの占いやコミック関連サイトを閲覧しているうちにアダルトサイトに誘導されるケースが目立つという。
女性が急にエロサイトに興味を持ち出したのではなく、スマホのサイトでエロサイトに誘導する詐欺幇助的なサイトが増殖しているということである。
この現象は、出会い系サイトにも共通するものであり、とりわけ出会えない系サイト、要するにサクラを使った詐欺サイトが占いやコミック、そして単なる迷惑メールなどから誘導しているのと同様の現象と言える。
そして男たちの被害者のようにエロサイトにのめり込むというのではなく、「タブレット端末で歌手の動画を見ようとしたら、アダルトサイトに登録された」とかいうものであるから、要は全くの詐欺なのである。
かつて消費者相談の件数を大幅に押し上げた架空請求・不当請求が形を変えて現れている。
こうなると、単に民事の問題ではなく、刑事の問題として、徹底した取り締まりを行うことが必要だ。
出会い系サイトの裁判例の中には、担当弁護士が自ら登録をして詐欺的なアプローチがどのようにして行われるかを「体験」し、それが証拠としてサクラサイト認定につながった事例も存在する。このエロサイトへの誘導と登録を口実にした架空請求事案も、そのような手法で経緯を証明するとともに、サイト開設者や口座開設者などの情報から詐欺師どもを一網打尽にしていくことが望まれる。
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