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2015/09/05

refugee:国際貢献をしたいと意気込むなら今でしょ

EUがシリアからの難民大量流入に困っている。
少し前までは、自国にどうやって来させないようにするかが関心事だった感があるが、アイランくんの一連の写真が報じられてから風向きは一転し、難民をいかにして受け入れるかが関心事になっている。

この大変な時期に、国際貢献をしたいと意気込んで憲法にも挑戦する立法をしている日本政府が、何ら存在感を示せないのは情けない限りだ。

以下、遺体の写真が見たくない方は、続きをクリックしないで下さい。


Tragi_2

このアイランくんの写真がEU諸国の論調を変えたことは、あのベトナム戦争で逃げ惑う裸の少女の写真などを引き合いに出して、フランス2のニュースで早くから指摘されていたが、朝日新聞のパリ発記事にもなっていた。

「難民支援を」英世論、首相動かす 男児遺体写真で波紋

英国のキャメロン首相は4日、訪問先のポルトガル・リスボンで演説し、国連のシリア難民キャンプから数千人単位の受け入れを行う方針を示した。難民受け入れを求める世論の圧力を無視できなくなり、消極的だった姿勢を一転させた形だ。

 写真が3日付の主要各紙の1面に掲載された英国では、直後から難民支援の慈善団体にお金や物品の寄付が殺到。難民の受け入れ拡大を求める英議会へのオンライン請願運動への参加者は4日朝の時点で35万人を超え、増え続けている。与野党の政治家や宗教指導者も政府に難民救済を求めていた。

 独仏両政府も3日、EU(欧州連合)各国に難民受け入れの「割当制」を共同提案する方針を示した。(パリ=渡辺志帆)

日本の外務省のサイトをざっと見ても、難民問題に関心を示している様子はうかがわれないが、洪水や地震で難民が発生した場合にはそれなりの速度で支援を表明したり実施したりするのだから、戦争を原因とする難民支援にももっと積極的になってよい。
本当を言えば、その難民が発生しないように、紛争当事国に対する仲介努力なども、外務省の重要な仕事のはずだ。そうした能力はないのかもしれないが、核保有国や安保理常任理事国でなくても、ノルウェーのように積極的に仲介に動いている国はある。

そうした努力、紛争の未然防止や、起きてしまった紛争の沈静化・終結のための努力、そして国際紛争に伴う人々の窮境に対する人道援助に積極的に取り組むことこそ、日本国の国際的な評価を上げることにつながる。

参考:緒方貞子氏「ODA超えた貢献を」 (これからの世界)
国際協力機構特別フェロー

「国際的に期待される治安維持の役割があるときには、自衛隊も出ていけばよい。その大前提は、必要な訓練がきちんとされていて、国際的な活動の一部として出て行くことだ。ただ、それを国際貢献の看板とするには無理がある。自衛隊を出すにしても物理的な限界がある。日本はもっと紛争国間の調停に入り、和平を仲介する役割をめざすべきだ。それには国際政治をよく理解し、交渉力がある人材を育てなければならない」

緒方貞子―難民支援の現場から (集英社新書)も参照。

今、この難民ラッシュに困っているEUを傍観するだけでは、そうした方向での努力を蔑ろにしているようにしか見えない。その一方で国際貢献をと言っても、信頼は生まれない。

難民支援に何をしていいかわからないということは、まさかないと思うが、日本のできる事はたくさんある。
分からなければ、NGOに聞けばよい。
食糧支援、医療支援、住宅支援、そしてコスト的に考えにくいかもしれないが、難民受入れなどもないわけではない。

難民受け入れの拡大については、「難民認定の対象拡大へ 審査は厳格化、外部意見の導入も」を読むと、見出しとは逆にまるで希望は持てないが、一時的な人道的受け入れはあり得るところではなかろうか。

また、例えばEUは難民受け入れセンターをギリシャの島に作る計画も検討していて、600億円が必要なのだそうだ。これはちょっと首を傾げる感じもあるし、これにこだわることはないが、日本でもできる事はたくさんあることの一例ではある。
EU:難民問題で、アテネ近郊に窓口を計画

欧州委の発表によると、トルコから難民が船でたどり着くギリシャの島に難民の一時保護窓口を設置。各島の難民を「受け入れセンター」に集める。センターでは指紋採取や国籍確認、登録をした後、加盟各国へと送り出す。ギリシャが財政難であることも考慮し、4億5000万ユーロ(約600億円)の基金を設置して、インフラ整備や技術援助にあてる。

フランスでは、一般市民が、自宅に難民の一時居住を受け入れたり、日常消費財をまとめ買いして難民のために送付したりしている姿がテレビでも報じられている。日本も自身のときはやってもらったり、自らやったりしていたことばかりだ。

ちょっと前に流行った言葉「何時やるの?、今でしょ」というのを今こそ思い出す。

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