Courts:ポーランドの裁判所(2)クラコフ
夏休みの宿題第二弾は、以前にも紹介したクラコフの裁判所と法律事務所である。
前回紹介したポーランド司法制度の解説ページによれば、裁判所制度の中に行政裁判所が分かれており、また通常裁判所には地域裁判所、地方裁判所、そして控訴裁判所に分かれている。
クラコフでは、その行政裁判所と通常裁判所が存在していた。
この行政裁判所を見つけたのはたまたまで、控訴裁判所を目指して歩いていたら、その途中にピンとくる建物があり、表示には裁判所=Sadの文字があった。
グーグル翻訳によれば「クラコフ地方行政裁判所」とのことである。
建物の上部に、英語のappealに相当する文字が見えるので、すぐ判明した。
外から除くと、法廷と思しき部屋の掲示板に正義の女神があしらわれており、なかなかよい雰囲気だ。
ただ、館内には全く入れてもらえなかった。審理を傍聴したいと言ってもダメ。非公開なのであろうか?
そのとなりに、病院のように見える建物があり、それが通常の地方裁判所である。
グーグルはSad Okregowyで地裁と訳してくれる。
この建物には様々な種類の裁判所が入っているようで、モニターに事件表が並んで表示されていたが、残念ながらすべてポーランド語なので、全く分からない。刑事事件か民事事件かもよく分からない。
入り口には赤い看板がいくつも並んでいたが、一番上は地方裁判所、二番目は地域裁判所と想像がつく。
しかし地域裁判所にさらに4つくらいの種類があるが、それらが何を意味するかは、グーグル翻訳では刃が立たなかった。
正面玄関には、一応正義の女神の絵が書かれていた。
内部にも入れてもらえたので、法廷もちらりとのぞいてみたが、幅6メートルくらいで長さは10メートル超の縦長の狭い部屋で、弁護士や検察官が互いに見合う形で座り、立って弁論していた。
言葉がわからないと、法廷の訪問も限界がありすぎる。
さて、前にも紹介したが、出掛けに妻がもらったチラシは、弁護士の勧誘ビラであった。
そして、弁護士事務所も裁判所の周囲にたくさんあった。
弁護士事務所のことはKancelaria Adwokackaというらしい。
英語のカウンセラーとアドボケイトに同根の言葉であり、すぐ分かる。
ちなみに、今後のスラブ系の諸国では、advocateに近い言葉が弁護士を意味するようで、フランス語のavocatもそうだが、この点では非常に分かりやすい。
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