Auschwitz Birkenau訪問
貨車には、1両あたり40人が詰め込まれ、7日から10日は飲まず食わず、トイレもない中で途中降りることはできないので、その中で排泄もするという劣悪な環境である。
到着した頃には、弱っていた人、子どもや高齢者などは命を落としていたし、残りも衰弱していたという。
そこで降ろされ、すぐに選別が行われた。
キャンプの収容人数が増えすぎた時は、その選別すら行われずに、即座にガス室に送られた。
そのガス室は、アウシュビッツIのような形では残されておらず、ナチの証拠隠滅のために破壊されて、その後が残されていた。
幅広いところを犠牲者たちが進まされ、服を脱がされ、シャワーとか入浴とかいわれて進んでいった時にはガスでの死が待っていた。
黒い牌の向こう側の池のような部分には、おびただしい数の犠牲者の遺骨がばら撒かれていた。
また、直接ガス室に送られなかった強制労働組の中でも、体が弱ってきた女性たちは、隙間風だらけでほとんど地べたと変わらない中、カイコだなベッドに詰め込まれて放置された。次々命を落としていったという。
このアウシュビッツの犯罪は、もちろんナチスが下手人グループであることは間違いないが、その背後にドイツ人自身も責任者として存在していたこと、ドイツ政府はそのことから目を背けずに真摯に向き合った。
今日、ドイツが世界で名誉ある地位を占めているとすれば、それは過去の自国の悪行を矮小化したり否定したりすることなく、直截に責任を認めてきたし、直接の犯罪者の刑事責任追及にも全面的に協力してきたということ、そして世界がそのことを認めているからに他ならない。
終戦の季節を迎えるにあたって、また安全保障法案によりきな臭くなっている中で、改めて日本国の名誉を考えてしまう。
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