ポワチエの海兵戦車連隊RICM創立100年式典
ポワチエには、陸軍の戦車海兵隊連隊が配置されている。これは100年前にモロッコでの戦争に際して設立されたもので、今年が100周年、その記念式典が6月13日にポワチエ市役所前広場で行われた。
現役兵士たちのお披露目の後、市役所の前面をつかったプロジェクション・マッピングがメインイベントである。
プロジェクション・マッピングは、創立以来のRICMの参戦した歴史を振り返るというものであった。
始まりはモロッコでの戦争であり、1915年に設立された。
当然ながら、第一次世界大戦も、第二次世界大戦も、フランス軍は事実上負けて、英米の参戦により復活したのだが、それ以外には、戦後の脱植民地化の中で軍隊が独立に対峙してきた歴史もあった。
その後、アルジェリアやコートジボワール、ボスニアヘルツェゴヴィナなどユーゴ内戦、ルワンダ、湾岸戦争、アフガン戦争などに参戦してきた。
これこそ集団的安全保障(集団的自衛権ではない)の発露であった。
以下蛇足的感想
今の日本政府、安倍政権が目指しているのがこういう国であれば、確かに誇らしい、勇ましい国になるだろうことは、この国威発揚のプロジェクション・マッピングからも想像される。
しかし、そのためには、海外での紛争に対して国家として介入し、その介入には中立的なものもありうるかもしれないがそうではなくて紛争当事者の一方を支援し、武器等を提供するばかりでなく、自国の若者を送り込んで武力を行使し、さらのその正当性を自らが支援する側と敵対する他国に対しても主張し、その他国との紛争に発展しても自国を守れるだけの能力を備えていなければならない。小なりとはいっても核兵器までも備えているのがフランスである。
もちろん対米従属した上で、下請け的に物資や兵器、それに若者を差し出すといった行動とは全く異なる、主体的な判断と行動力が必要であり、場合によってはアメリカの行動に異を唱えて止めろということも必要となるのである。シラク政権下のイラク侵攻には反対したのがフランスであった。
そうした存在になることを日本人は望んでいるのか。
アメリカが望んでいるのは、アメリカの意向に忠実に物資や資金や兵器、そして若者を差し出すという姿だろうが、安倍政権が目指すのはそのような従属的な国なのであろうか?
そのいずれもとれないとすれば、軍備は自衛のための最小限とし、国際紛争の解決の手段としての戦争は放棄し、もっぱら交渉による紛争解決の道を探ることに自らの行動を限定し、他国が武力を持って紛争解決にあたっていても、それには参加できないと一線を画する道はそんなに捨てたものではない。
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