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2015/06/22

民訴教材:判決の更正申立て(と更正決定)

民事訴訟法257条は以下のように定めている。

判決に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。

明白な誤記、計算間違いがあるときは、申立てがあってもなくても、いつでも更正できるが、これに基づく申立てが下記の記事に現れている。

「判決に計算ミス12カ所」 地裁に訂正申し立て

会見によると、神奈川県内の病院に務めていた男性は2007年、勤務中に脳出血で倒れ、現在も意識不明の状態。08年に労災認定を受け、10年に約3億5千万円の賠償を求めて提訴した。東京地裁(松村徹裁判長)は今年4月、「業務が原因ではない」として請求を退けた。

 男性側は控訴したが、その際、判決が認めた労働時間の計算表を点検したところ、単純な計算ミスを12カ所発見したという。1日ごとの労働時間を足して週の合計を出す際の足し算の誤りなどで、倒れる直前1カ月の残業時間は約2時間40分少なくなっていた。一方、残業時間が本来より多くなっていた月もあったという。

判決がずさんだという原告代理人の怒りをそのまま記事にしたような感じだが、いささか腑に落ちないところがある。

この原告は一審で請求棄却判決を受けて、既に控訴している。
確かに257条の判決更正決定は、判決裁判所が「いつでも」できる。従って地裁に更正を申し立てることは間違いではないが、請求棄却判決に不服で控訴しているのであるから、控訴審においてその誤りもついでに主張すれば良いことではないか。控訴審が、控訴を認容するか棄却するかは分からないが、仮に棄却するとしても控訴審裁判所が原判決の更正決定をすることはよくあることである。
地裁の更正決定を得ておかないと、控訴審で困るということがあるのであろうか?

続報

東京地裁の判決に多数の計算ミスがあったとして、訴訟の代理人が訂正を求めていた問題で、同地裁は「明白な誤りが生じている」として、指摘通り12カ所の計算ミスなどを訂正する決定を出した。決定は24日付。

控訴審でやればいいこっちゃないのかという疑問は解消されず。

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