Palais de justice:札幌地裁小樽支部からパリの裁判所まで建て替え
丘の上に立つ札幌地裁小樽支部の建物が、いつの間にか建て替えられていたのを、今日、FBの書き込みで知った。
法廷には窓があり、海が見えるという素敵な立地だったが、建て替えられてどうなっただろうか?
ところで、昨日は、パリの裁判所でも新築の動きがあった。
パリの裁判所といえば、シテ島にある壮麗な建物で、敷地内にはサン・シャペルがあるので多くの観光客が荷物検査のゲートを通って敷地内に入る。
さらに、マリー・アントワネットの独房とかも見ることができるのだが、地裁に相当する大審裁判所は別に建てられるようだ。
エクスプレス誌が以下のように伝えている。
La première pierre du nouveau palais de justice de Paris posée ce mercredi
それによると、新築工事は2013年から始まり、その後8ヶ月の中断があったそうだが、昨日の6日に、司法大臣が立ち会って、最初の礎石がおかれたという。つまり日本的には地鎮祭ということであろう。
場所はle quartier des Batignolles (17区)という。パリの地図で見ると、左上の方だ。
建築計画はシラク大統領時代からあったようで、原因はシテ島の狭さ。そしてニコラ・サルコジ大統領によりこの場所への移転が決められた。
新しい裁判所は90の法廷を備えるそうだが、パリ控訴院と破毀院は、今の場所に留まるという。
この新しい裁判所の回りには、パリ司法警察と新弁護士会館が配置され、cité judiciaireを形成するらしい。
築地市場の移転と同様に、反対の声は強く、法廷闘争もあったが、コンセイユ・デタは建築契約を有効とする判断を下した。この紛争が、上記の建築の中断につながったとのことである。
さて、建物の方は新しくなるのだが、裁判所組織の方の改革は、その後どうなったのだろう? トビラ司法大臣は、大審裁判所や商事裁判所、その他の一審を司る例外裁判所を全部一つの第一審裁判所にして、その専門部という形にしたいということだったのだが。
| 固定リンク
「法律・裁判」カテゴリの記事
- Arret:欧州人権裁判所がフランスに対し、破毀院判事3名の利益相反で公正な裁判を受ける権利を侵害したと有責判決(2024.01.17)
- 民事裁判IT化:“ウェブ上でやり取り” 民事裁判デジタル化への取り組み公開(2023.11.09)
- BOOK:弁論の世紀〜古代ギリシアのもう一つの戦場(2023.02.11)
- court:裁判官弾劾裁判の傍聴(2023.02.10)
- Book:平成司法制度改革の研究:理論なき改革はいかに挫折したのか(2023.02.02)
コメント