FRNACE:10年前の刑事事件に無罪判決
5月18日付けでレンヌ軽罪裁判所が下した無罪判決が、昨日からマスコミを賑わしている。
これは、10年前の2005年10月27日に、二人の若者Zyed と BounaがEDF(フランス電気会社)の送電施設に入り込んで感電死したという事件で、二人を追っていた警察官二名が、明白な危険を知りながら救助の措置に出なかったとして起訴されたというものである。
争点は、二人の警察官が少年たちのEDF敷地への入り込みと差し迫った危険を認識していたかどうかであり、レンヌ軽罪裁判所は、その認識がなかったとして無罪判決を下し、二人を釈放したということである。
# マスコミの記事は無罪判決ということよりも釈放したということが大きく取り上げられていて、10年前の事件であるから既に司法判断は確定していたはずという思い込みもあってよく分からなかったが、結局、無罪判決により釈放したということのようだ。
この事件がこれほどまでに注目されるのは、10年前の極めて苦い記憶にある。
参考→http://www.francetvinfo.fr/faits-divers/justice-proces/zyed-et-bouna/video-emeutes-de-2005-les-trois-semaines-qui-ont-secoue-la-france_850519.html
フランスで二人の青少年が警察に追われて感電死したというニュースが伝わると、前例のない暴動が起こった。10月27日に起こった事件以来、11月2日にはパリ周辺に、6日にはフランス全土に暴動が広がり、8日にはついにシラク大統領とサルコジ内相の元で非常事態が宣言された。
治安回復には11月17日までかかり、その間に約2億ユーロの損害と、9071台もの車両が燃やされたという。
Garde à vue により拘束されたのが2921人、そして勾留されたのが597人、そのうち108人は未成年だったという。
これほど大きな社会問題となった事件だけに、しかもその当時の若者や移民に対する警官の横暴に対する怒りの爆発というものであっただけに、今回の警官二名に対する無罪の報は、あの暴動につながった社会的な対立が表面化するかもしれないという恐れもあるのであろう。
ただし、今のところは、感電死した少年たちの家族は怒りの声を上げているが、それ以上に抗議行動が広がるようには見えない。
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