Book:司法取引
今年読んだ28冊目と29冊目
ジョン・グリシャムの司法取引(上) (新潮文庫)および(下)
グリシャム自身があとがきで純然たるフィクションだとわざわざ書いてあるので、連邦判事の殺害というネタやその判事の所業、主人公たる元弁護士の冤罪主張など、創作なのであろう。
それにしても、ストーリーの中に出てくる取調べ場面は、まるで、中世並みと呼ばれる日本の取調べを彷彿とさせる。
被疑者を寝かさないで長時間取調べするとか、自供する場面を改めてビデオに撮る一方で、密かに最初から録音しておき、その事実は警察(FBI)内部の秘密とするとか、共犯者が全てゲロしたぞと言ったり、ありもしない弾道分析でお前の銃が黒と出たとか、やはりありもしない犯行現場の足あとがお前の靴と一致したとか、自白しないと家族全員をひとまとめにして訴追するぞと脅すとか。
その結果、自白調書がとられ、その自白調書がほとんど唯一の証拠として起訴されるとか。
ここ数年の日本の刑事司法が露わにした欠陥をなぞられているような気がして、誰かグリシャムに情報提供したのではなかろうかと思うほどだ。
これに、司法取引が主要テーマとなっているところなどを考えると、日本の今回の刑事司法改革を皮肉っているとしか思えないのだが。
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