decision:間接強制増額の実例
諫早湾の水門をめぐる泥沼は、民事訴訟法学の教材を提供してくれているが、間接強制の金銭を倍増する決定というのも中々目にすることは少ない。
国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門をめぐり、佐賀地裁が国に命じた制裁金では開門を促すには不十分だとして、佐賀、長崎両県の漁業者ら45人が増額を求めた申し立てについて、佐賀地裁(波多江真史裁判長)は24日、漁業者1人当たり1日1万円の制裁金を、2万円に増額する決定を出した。国は福岡高裁に抗告し、強制執行の停止を申し立てた。波多江裁判長は、開門しない場合に漁業者が受ける損害などを考慮すると、1日1万円は「不相当と言わざるを得ない」と判断した。
国は地元の反対などで開門できないと主張したが、「防災上やむを得ない場合を除き開放するだけなので、国の意思のみでできる」と退けた。
ただ、これは元の請求が一日1億円とふっかけた結果だと思うと、倍増といっても微々たるものというべきなのかもしれない。
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