book:30歳官僚
今年読んだ21冊目。
随分前に、官僚の実態を知らないでモノを言うな、これくらい読めと言われて買ったまま積ん読になっていたが、昨晩読み終わった。
ちょうど民主党政権の時代に書かれたもので、それ以前はそれなりに機能していたところをぶっ壊してくれましたね、という話である。もちろんそれだけでなく、若手キャリア官僚の立場から、キャリアとノンキャリの実際の違い、プロジェクトの建て方とその法案化へのプロセス、そして政治家の役割が活き活きと描かれている。
全体の印象として、30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいことは、薄っぺらな官僚批判に対する反論として成功しているようにも思うが、しかし例えば天下り批判に対しての反論は、現在の制度の下で必要だというにとどまり、その弊害、特に官庁の子会社(by 著者)に再就職して数年務めて1000万円以上の退職金を受け取り、再々就職して、その原資は税金で、という弊害に対する反論としては成功しているようには思えない。
それはともかく、読んでいると、あの官庁のあの人、この官庁のこの人の顔が思い浮かび、色々な思いが去来する。そういう時代を経て、今、あの人がいるのだ、とか。
同じ著者のその後を描いたであろう本や、そのほかに以下のものも興味深そうである。
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