article:サクラサイトの不法行為責任
自分の書いたものの宣伝だが、現代消費者法 no.26 特集:医療と消費者に、判例研究として、「サクラサイトの不法行為責任が認容された事例」と題する論稿を掲載していただいた。
先日、このブログでfraud:裁判例に現れた出会えない系サイトと題するエントリをアップし、またその前にはjugement:サクラ出会い系サイトに断罪というエントリもアップしてきたが、今回の判例評釈は、それらの上にある。
民訴法的には、通信相手方がサイト運営事業者と意を通じてメール送受信料金その他の料金の釣り上げのためにメール交換や暗号解除などの購入をさせているという事実を、サクラサイトの被害者の側が主張立証しなければならないという点に最大のネックがある。
そして、その点の主張立証がしっかりしないまま、とにかく訴訟をしても、敗訴の憂き目を見ている例が存在する。
そんな中で、上記の主張立証が成功している例は、実は結構多く、それらはいわゆる一応の推定とか表見証明ともいうべき認定方式によって行われている。具体的な被害事例ではサクラが使われているということが、もはや高度な蓋然性を持つ経験則となっているのではないかというのが、上記判例評釈の趣旨である。
ご興味のある方はぜひ、現物を手にとっていただきたい。
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