local.ゆるキャラの乱立
神奈川県庁の作ったゆるキャラは、なんと11体にもおよび、その知名度はかなり低い上、しまい込まれて誰が管理しているか不明なものまであるそうだ。
神奈川県庁「ゆるキャラ」11体乱立の“お役所仕事” 「所属不明」漂流中キャラも発見
県NPO協働推進課の「かにゃお」が最も上位だったもの、それでも365位。これに、県健康増進課の「かなふぅ」が451位▽県水源環境保全課の「かながわ しずくちゃん」が534位▽県水道部の「カッピー」が581位▽県広報県民課の「かながわキンタロウ」が670位最上位のかにゃお
この記事の元となったゆるキャラグランプリ2014のページで都道府県別のリストを見ると、神奈川県は70エントリーされている。もっとも県下の市区がエントリーしているケースもあるので、上記記事の神奈川県庁が出しているものは、そんなにはない。というかそのリストからは判然としない。
なお、この記事ではゆるキャラの乱立とか、過去に作られたゆるキャラが打ち捨てられていることについて、ひどく批判的ではあるが、役所の論理としてだけでなく、あり得ることだ。
「それぞれの政策のPRといった事業目的のためにゆるキャラを作っているので、その目的に対して効果を発揮すればよい」これに対して一体100万円ほどの制作費をかけることについて批判されている。
確かにくまモンのような官製ゆるキャラのスーパースターを念頭に置くと、一回のイベントで役目を終えるという存在は無駄のように思えるかもしれない。しかしもともとマスコットキャラクターというのはそのような存在でもあった。国体とかも、イベントごとにその地方の特徴を織り込んだキャラクターがデザイナーに外注して作られ、それなりに予算を投じられてきた。
その中には着ぐるみを制作したものもあっただろう。それらの経験を踏まえると、過去のイベント用に作られて使命を終えたゆるキャラが、着ぐるみだけどこかにしまい込まれて忘れ去られるという事態は、それほどおかしなものでもない。
むしろ、役所のPRとして、ゆるキャラがこれほどまでに用いられているということ自体が注目されるべきなのだろう。
役所それ自体のPRや所管業務についてのPR,所管するイベントについてのPR,さらには所管する制度とか法令についてのPRなど、ゆるキャラに広報を託す対象は幅広い。裁判員制度にはサイバンインコ、消費者庁の子どもを事故から守るプロジェクトにはアブナイカモと、法制にも興味深いPR手法が採られている。
なお、上記のサイバンインコは裁判員制度の全体キャラクターだと思っていたが、実は福岡高等検察庁が生み出したキャラクターだったようだ。
全国の検察庁はそれぞれにキャラクターを出している。
→全国各地で活躍する検察広報キャラクターを紹介します。
これらはすべて職員や家族・知人によるデザインだという。
法務省は別に法教育マスコットキャラクターというのを公募して投票でホウリスくんを一位に選んでいる。
これまた、デザイナーに依頼したというものではなく、公募によるものであるから、予算的にはそれほどかかっていないのであろう。
かくして、乱立といえば乱立だが、キャラクターの消費が一大ブームとなっていることは間違いないし、それにはそれなりの合理性もある。そのみんながフナッシーやくまモンとなることを夢見ているわけでもないのである。
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