France:キレる法学教師・弁護士
フランスのお話だが、Charlie Hebdoとは(多分)関係ない。
学生向けLe Figaroの伝えるところによれば、パリの弁護士学校での授業中、イスラムのベールをまとった女子学生がいるのを見つけた先生が、ベールを取るように言いかけて、他の学生に遮られた。激昂した先生がとんでもない反応に出たというのだ。
フランスの弁護士養成制度は、日本と違って地域ごとに弁護士会の集合体が入学試験を行う弁護士養成学校があり、いわば日本の司法研修所から任官予定者を除いた部分を各地の高裁所在地の弁護士連合会が独自の研修所を開いて養成するというようなものだ。
要するに、日本でいうところの分離修習で、弁護士向けの授業を主に弁護士が教師となって行う。
上記の授業は、刑事職業倫理とされているので、日本で言うなら弁護士倫理ないし法曹倫理のうちの一部、刑事弁護に特化した授業であろう。
その先生、女子学生のベールに激昂し、授業の継続を拒否して教室を飛び出した。
そして、法服を脱ぎ、ジャケットをとり、下着も脱いで、学生の前で叫んだという。
「俺の宗教は自然回帰だ(ヌーディスト)」
これまた色々と感想が浮かぶ。
フランスの法律の先生、あるいは弁護士教官にもとんでもない人がいる。子供じみていて、その先生が法曹倫理を担当するのがすごく皮肉だ。
日本の大学の先生、あるいは弁護士にも、時としておかしな人がニュースになっているが、強いていうならセクハラ・パワハラ系の話であろうか。
そして、イスラム教徒女性のスカーフ、ベールをめぐる対立の根深さもかいま見られるが、それにつけてもエキセントリックにすぎる。
今まで、どうやって過ごしてきたのか、それとも溜まっていたものが爆発したってことであろうか?
ともあれ、Charlie Hebdoが二面か三面あたりでネタにしそうな話だが、そのまんまでは風刺にもならないというべきか、あるいは写実的に描けば描くほど風刺になっちゃうか。
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