Charlieに突然たくさんの友達が。
Le Pointというフランスの新聞に、Charlie HebdoのイラストレーターだったWillemがオランダで語ったという話が紹介されている。
Willem : "Nous vomissons sur ceux qui, subitement, disent être nos amis"
「突然友達ヅラして寄ってくる連中にはヘドが出る」
槍玉に挙げられているのは、マリーヌ・ルペン、ローマ法王、エリザベス女王、そしてプーチンだ。
権威を嗤い、嘲ることが身上のCharlie Hebdo、そのライターがテロを憎むという一点で集まる人々にも唾をかけることは忘れないところが良いではないか。
こうした感情は、日本でもしばしば見られるところだ。ニューカマーに対する一般的な反感ということもあろうし、そもそも非体制・反権威を旨とするメディアが大統領から友達扱いされては迷惑至極だというのもよく分かる。
でも、Charlie Hebdoを読んだこともない連中が友達づらして寄ってくるのは気持ち悪いかもしれないが、メディアに対するテロ攻撃に抗議の意思を表明して犠牲者を悼むことと、当該被害者たるメディアを支持することとは別なのである。
テロに負けるなという意味で支援をするSoutenirことはあっても、じゃあ、愛読者になるかというと、それは話は別だ。
その意味で、友達づらして気持ち悪いという反応は、テロ被害をいわば口実にして政治的に利用する不純な動機を感じて、これに反発しているということなのかもしれない。
それでも、被害者と周りの支援者とが、思惑が違うということはよくある話だ。被害者の思いとは違う動機で、いわば被害者を政治的に利用するというと不当なことに思えるが、個別の被害救済と制度的な視点とは食い違いが生じて当然とも言える。そして別の思惑を持った支援者が全て不純な動機か、どこまで許されるのか、これは場合により様々であろう。
そういうわけで、世の中複雑なんだということである。
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